「夜明け前より瑠璃色な」読了しました。 プレイ直後の甘めの採点で95点。
# 冷却期間をおけば徐々に下がっていくと思いますが,それでも85点辺りで下げ止まるはず(^^;
前作の「はにはに」で一気にブランド人気が高まったオーガストですが,ついに作品のクオリティ面でも人気に追いついたといえるのではないでしょうか。
キャラクターの魅せ方は前作を引き継ぎつつ,とにかく丁寧に作ったという印象。 ヒロインごとに「お姫さまものとして」「義妹ものとして」「恋愛ものとして」「家族ものとして」etc.非常に素直な作りで,サプライズは期待できないけれど,ひとつひとつのエピソードに魅力が感じられる点は素晴らしかったです。
また,オーガスト最大の個性である所の(読者置いてきぼりの)「ワールド」ですが,矛盾だらけでボロボロの前作(はにはに),蛇足としか思えなかった前々作,駆け足過ぎて味もそっけもなかった第1作に比べ,物語のグランドフィナーレとして作品になくてはならない存在までようやくたどり着いたという印象。 もっともSF云々に関していえばSF風ライトノベルの伝家の宝刀(○○○○○○○○ーネタ)を使っている上,クラークの第三法則(十分に発達した科学技術は,魔法と見分けがつかない)レベルなので,細かいところにツッコめる余地がないだけという話もありますが(笑)
# といいつつ個人的には1点首をかしげる箇所があったりしますが,それはさておき(^^;
NHKの「その時歴史が動いた」ばりの展開の割に,(行動自体は日常の域に止まっていて)妙にこじんまりとした印象になってしまっているのは(相変わらずな)難点といえそうですが,前章(便宜上「章」とする)エピソードのひとつひとつが,後にキッチリと「キャラクターが積み重ねてきたもの」として生かされているところがとても素晴らしかったです。 物事がすんなり運びすぎるという意見もありそうですが,そんなものは所詮枝葉末節。 ご都合主義大いに結構と個人的にはいいたいですねぇ。
そうそう,伏線の回収も結構いい感じでした。 読んでいて2箇所くらいちょっと引っかかりつつも流しそうになっていた箇所が,しっかりと伏線だったのはちょっと感動というか(笑) あとはやはりフィーナシナリオでの主人公が格好良過ぎ。 やはり人間的に尊敬に足る主人公というのはいいものです。
これでHシーンがなければ,もとい少なければなぁと個人的には思ってしまいますが,売れても減らさない(どころかむしろ増えてる)というのは一般的見地からみればむしろ褒めるべきところなんでしょうねぇ。 Hシーンへの導入でそれってどうよ?と思う箇所が結構あったのは引っかかりますが。
# 特にリースは……(苦笑)
作画に関してはキャラクターの描き分けが微妙な気はしましたが,ちょっとした表情なんかは格段に上手くなっているなぁという印象。 CG屋さんによる所も大きいのでしょうが,人物(服装含)などの立体感を感じさせる構図と線も素晴らしかったです。
長くなりましたが,結局何がいいたいのかというと……。
「悩んでるなら迷わず買っとけ」
と,まぁそういうことで。