iPAQvsE-700 iPAQ ファーストインプレッション

当初の予定では買うつもりは全くなかったもののフと気付くと正式発表日に予約していた世界最強のPDA(センスないよなぁ(^^;)ことiPAQ Pocket PC。

このページではiPAQの特徴を列挙するのに止まらず,私がこれまで愛用してきたCASSIOPEIA E-700との比較を交えてiPAQの利点や欠点を分析してみたいと思います。

# 各項目をチェックし次第,順次加筆の予定です。

なお,本記事は基本的にWindowsCEユーザ(特にPocket PC購入を検討している,あるいは既存Pocket PCユーザ)を対象に執筆されているため,Pocket PC固有の問題についてはあまり突っ込んだ解説はしていませんから,Pocket PCにあまり詳しくないという方はE-700のインプレ記事Pocket PCに関する解説記事を合わせて参照すると良いかも知れません(^^;

ちなみに両機のカタログデータは↓こちらのオフィシャルサイトのスペック表を参考にどうぞ。


サイズと重量

E-700&iPAQ正面
E-700&iPAQ正面
E-700&iPAQ背面
E-700&iPAQ背面

ジャケットを付けないと小さくて軽い。なんて話はわざわざ私が書くまでもないでしょう(^^;

E-700の81.8(W)*128(H)*18.9(D)mmの218gに対して,83.5(W)*130(H)*15.9(D)mmの180gと圧倒的に軽くて薄いです。 反射型液晶(&リチウムポリマー蓄電池)の面目躍如といった所でしょうか?

# E-700を初めて使った時もデザインなどから受ける印象もあって『薄い』と感じたものですが,iPAQは裏がツルツルなこともあって持った感触は一言でいうなら『…板?』ってな感じでした(^^;

重さ的には『胸ポケットに入れてもさほど気にならない』重量であると言えますね。

ただし,Palmなどに比べて(液晶とカーソルの分だけ)縦方向が長いですから,Yシャツなどの胸ポケットに入れた場合ボタンが閉まらない可能性が高そうです。


さて,分かりきったことを書くのはこれくらいにして,誰しも気になっているであろう『CFジャケット装着時』の大きさと重さについて見てみましょう。

オフィシャルサイトを見ても『何故か』装着時のサイズは記載されていません。
が,流石にマニュアルの製品仕様には記載がありました(笑)

86(W)*131(H)*27(D)mmの250gだそうです。
この場合はE-700と比べても仕方がないのでGFORTを引き合いに出すと…
85(W)*135(H)*25.5(D)mmの約(何故約?)300gになっています。

横幅と奥行きはGFORTを上回っている訳ですね(汗)
その割に重量増加はさほどではない事が上記数値から読み取ることが出来ます。

で,結論から言ってしまえば『使っている分には』気になりません。

確かに付属のCFジャケットを付けてしまうとGFORT並の立派なサイズになってしまいますが,CFジャケットの形状を見てもらえば分かる通り,両サイドがカーブを描いており中心部のみが出っ張った格好になっているため,実際に手に持った時のホールド感は極めて良好です。

前述の通り重量自体はさほどでもない事もあって,Pocket PCあるいはPs/PCの『カラーモデル』を使っていた人はさしたる違和感も無く使用できるのではないでしょうか。


問題は運搬時ですね。

妥当な線としては普段は本体のみで使い,通信時などにPDCモデムやP-inComp@ctなどを差しっぱなしにしたジャケットを鞄などからおもむろに取り出して装着して使うってな辺りでしょうか?

追記

iPAQがさらに巨大になる(^^; PCカードジャケットの記事はこちら

動作速度

お次はこれまた誰しもが気になる動作速度についてです。

これも結論から言えば『早いです』ね(^^;
どのくらい早いかと言えば『想像以上に早かった』です(苦笑)

E-700と比較して通常時の速度も体感で気が付く程度(1.2〜1.5倍程度か?)には早いんですが,決定的な差がつくのが『Pocket Internet Explorer』や『幻色鉛筆2』『さいすけ』『Transcriver』『Windows Media Player 7 for Pocket PC』あたりを使った時でしょう。

たとえば『Pocket Internet Explorer』ですが私が普段利用しているサイトの中で『最も重い』インプレス系のページをローカル保存して表示させた場合,E-700だと20秒〜ヘタをすると30秒近くレンダリングに時間がかかります。

が,iPAQで同じ事やらせた所10秒〜15秒で終了してしまいました(汗)

さらに『幻色鉛筆2』であれば『JS Landscape2.0』のVGAモードにしても描画のもたつきは全くといっていいほど感じられませんでしたし,同様にE-700だとややもたつく印象のあった『Transcriver』や『さいすけ』もキビキビと小気味よい速度で動作してくれます。

『Windows Media Player 7 for Pocket PC』あたりにいたっては,E-700だと『これを動画と言い張るかなぁ』などと思ったものでしたが,ちゃんと動画らしくなめらかに動きますねぇ(^^;

うーん。ここまで動作速度が違うとなると,今までCASSIOPEIA一筋(というにはやや語弊がありますが(^^;)の私としてもE-700から主力機の座を奪いかねないものがあると認めざるを得ません(苦笑)


ついでにUSBを使用したActiveSync経由の転送速度についても4MBのWMAファイルを転送する時間を計測してみましたが,こちらはiPAQの本体RAMへの転送が約40秒。
対するE-700は同じく本体RAMへの転送で約120秒でした。

……って3倍差ですか!?(^^;

追記

書き忘れていましたが,CPUが高速化したことによって今までは文章作成には実用的でなかった『手書き検索』による文章作成も十分可能なレベルに到達しました。

これと手書き入力を併用する事でかなり快適な入力関係が実現するかも知れませんね。

TFT反射型液晶

E-700&iPAQ 室内 ライト最大
E-700&iPAQ 室内 ライト最大
E-700&iPAQ 屋外 直射日光下
E-700&iPAQ 屋外 直射日光下
E-700&iPAQ 屋外 日陰
E-700&iPAQ 屋外 日陰

iPAQにはPocket PC初の反射液晶が搭載されています。
という訳で注目の液晶の発色及び視認性についてです。

# 現在のロットはSONY製で,この液晶がiPAQの生産数と直結しているらしいですが…

まず反射型が不利になるであろう室内(一般家庭用照明の下)から。
iPAQには光センサと連携した自動調光機能がついていますから,こいつをONに(スタートメニュー→バックライトの明るさタブ→明るさのレベル,自動のチェックボックスをチェック)して置くと勝手にフロントライト(マニュアルにはバックライトと書かれていますが??)が点灯します。

この時の発色と視野角は共に透過型TFT液晶を搭載したE-700にはかないません。
発色は青みがかったSTN液晶に近い発色になります。

# 英語版はもっと暗めで黄色っぽかったような気がしたんですけど,ロット差でしょうか?

やや眠い印象がありますから,CG鑑賞やお絵描き用途では少々不満を覚える所かも知れませんね。

# 私の場合長時間iPAQの画面(発色)をみた後でE-700を起動した所安堵に似た感覚を受けました(^^;

また視野角はフロントライトとの干渉があるため,TFT液晶本来の視野角よりはちょっと狭いかなといった印象です。

# 30度はOK,45度はやや見にくいといったあたり?

フロントライトの輝度に関しては(E-700の馬鹿みたいに明るい液晶と比べなければ)十分な光量が確保されていると言って良いでしょう。

次にバックライトを切った時の視認性に関してですが,こちらも割と十分実用に耐えそうというのが素直な感想です。
確かに暗いことは暗いですから長時間の使用には疲れを伴うかもしれませんが,文字及び色の判別にも支障が無いレベルは確保されています。

E-700と比較するなら,量販店などの照明の明るい店舗でバックライト輝度を6割程度まで上げた状態を想像してもらうとよいでしょう。

次は注目の外光利用時です。
これは曇天の戸外,前述の照明の明るい量販店レベルから恩恵を受けられます。

液晶の発色も極めて素直ですし,視野角もE-700より下方向に関しては優秀なくらいで全く問題はありません。
反射型液晶の面目躍如といった所でしょうか。

# E-700は下方向はいまひとつ…って液晶を下から覗き込むシチュエーションがあるかどうかは謎ですけど(^^;

電車の窓際に座った時などにも十分にありがたみを実感することができるのではないでしょうか。

ちなみに同時発色数がE-700の6万色に対し4096色となっていますが,(並べて比較しなければ)さして気にならないレベルといって良いと思います。

# ただしグラデーション部は減色表示になりますからあまり綺麗とは言えないでしょうが。

# 母艦上で24bitカラー画像を16bitカラーでみたときのような感覚です(iPAQは12bit)。

海外製のグラフィックビュアには『Resco Picture Viewer』などのように,iPAQをターゲットにした12bitカラーへの減色機能を備えたものもありますので,これらを使用してやればさらに美しい画像を利用することが出来そうです。

また,フロントライト,外光利用時とも上下左右どの方向から見てもほぼ均質な表示を得る事が出来ますから,『『JS Landscape』のランドスケープ(横画面)モードや『RubyReader』の横画面モードも違和感なく使用できるのも見逃せないポイントと言えますね。

# E-700の場合画面を横にしてしまうとかなりギラついた画面になるため,長時間の使用にはやや難がありました。

駆動時間

E-700&iPAQジャケット無し 側面
E-700&iPAQジャケット無し 側面
E-700&iPAQジャケット有り 側面
E-700&iPAQジャケット有り 側面

まだ良く分かりません(^^;
一応公称値では12時間(E-700は7時間)ということになっていますが果たして…

注目は室内でフロントライトを常時点灯した場合どの程度持つかということでしょうね。

E-700と違いバッテリが本体に内蔵されてしまっており交換出来ないので,この結果いかんによっては私の利用方法だとつらいものがあるかも知れません(^^;

# 私はE-700利用時はスペアバッテリを常時携帯し,切れたバッテリは専用急速充電器を利用して充電するため,夜寝るときにも枕元において使っています(=夜にいちいち充電しない)。

同じくバッテリはめ殺しのjornada5xxではその欠点を補うために外付けのパワーパックが用意されています。

COMPAQにもぜひ同様の装備を用意して欲しい所です。

# PCカードジャケットには1個,デュアルPCカードジャケットには2個のバッテリが内蔵されており,PCカードジャケット装着時は24時間近い駆動時間が実現するという話です。

# またUSAではExtended Battery Expansion Packなるものの発売が予定されている模様。

追記

フロントライトを自動点灯設定にし,音楽再生,ファイル操作,動画再生,テキスト閲覧,母艦とのシンクロなど特に用途を限定せずに使用してみた所,3時間半強でバッテリー切れになりました。

# E-700であれば恐らく4時間〜4時間半程度は持つ作業内容だと思います。

フロントライト消灯時に関しては引き続き検証を行っていく予定です。

追記

バッテリ駆動時間の延長を図る意味でもPCカードジャケットを購入しました。
紹介記事はこちら

添付ソフト

E-700&iPAQジャケット無し 下面
E-700&iPAQジャケット無し 下面

iPAQには以下のようなソフトが付属します。

Pocket PC標準のソフト

Pocket Internet Explorer,File Explorer,Pocket Outlook(受信トレイ,予定表,仕事,住所録),Pocket Word,Pocket Excel,メモ,ソリティア

これらのPocket PC標準のソフトについてはE-700のインプレ記事で既に触れているので,興味がある方はそちらをどうぞ。

# 本記事の動作速度の項で既に触れたようにPocket Internet Explorerは動作速度がかなり改善しました。 <iPAQの処理速度の問題ですけどね(^^;

ROM搭載の独自ソフト

ピクチャ ビューア(グラフィックビュア),アセット ビューア(表示のみのデバイスマネージャ),自動起動(CF内アプリの自動起動),Qユーティリティ(Qメニュー表示項目設定,自己診断テスト,CFバックアップ),Qスタート(全画面ランチャ),Qメニュー(ポップアップ型タスクマネージャ),CFバックアップ(バックアップソフト,Qメニューの一部),拡張パック情報(ジャケットの状態表示)

CD ROM収録のバンドルソフト

Outlook(Pocket PC標準添付),PVPlayer v2.0(MPEG4対応のストリーミング動画再生),NetFront 2.6 for Pocket PC(Webブラウザ),EasyViewer for iPAQ(画像アルバムソフト),Beatnik Player for Pocket PC(MP3やMIDIなどに対応した音楽再生),DMoney V3.5(小遣い帳ソフト),JRトラベルナビゲータ Pocket PC対応(時刻表連動の経路検索),WordLinker for Pocket PC(Web連動の語句検索,兼タスクマネージャ)

とこんな感じのラインナップになっている訳ですがパッと見気付く問題点としては,『独自PIMソフトが付属しない』,『辞書ソフトが付属しない』といったあたりでしょうか。

# どちらもE-700はROM搭載しています。

MicroSoftのPIMは『使えない』ことで定評がありますから,仕事や住所録はともかくスケジューラに関しては『さいすけ』『ROSE』などのシェアウェアを導入して補ってやる必要がありそうです。

# 残念ながらPocket PC用のスケジューラでオススメできるフリーウェアは現在(2001/04/27現在)私の知る限り存在しません。

また辞書がサポートされていないのもこのテのデバイスとしては片手落ちの感が無きにしも非ず。
私としてはROM搭載を強く望みたかった所。
フリーウェアや市販ソフトを利用して補ってやる必要がありそうです。

追記

辞書ソフトの不在を補うため『HikaruCE』を導入してみました。
レビュー記事はこちら

以下簡単に使ってみた感想です。

ピクチャ ビューア 対応画像形式が少ない。全画面表示,スライドショーが出来ない。

アセット ビューア リビジョンなどをチェックするには便利

自動起動 未使用

Qユーティリティ 自己診断テストは故障かなと思った時には心強い『かも』。

Qスタート 画面タップ主体で使うには悪くない。壁紙表示に対応して欲しかった。

Qメニュー タスクマネージャが標準でついていることは評価できる。がプログラムや設定などのクローズ不能なウインドウ上からTodayに戻れないのは不便(スタートメニューを使えば良い訳ですが)。ランチャ機能も統合して欲しかった。

CFバックアップ 今の所問題なく動作している模様。 これとは直接関係ないがフラッシュROMへの住所録データの自動バックアップ機能は注目に値する。

拡張パック情報 無いと困りますよねぇ(^^;

PVPlayer v2.0 未使用

NetFront 2.6 for Pocket PC 今回はネットワーク(LAN)経由での接続も可能。ただし画像の自動リサイズが出来ないのは致命的。 <ウチのサイトすらまともに見れません

EasyViewer for iPAQ GIFとPNGへの対応が無いのが残念。

Beatnik Player for Pocket PC MIDIなら本体RAMにデータ保存しても実用的なので嬉しい所。音質は良いが再現性は今一歩?

DMoney V3.5 定番ソフトのバンドルは大いに評価できる。やや多機能過ぎるきらいはあるかも。

JRトラベルナビゲータ Pocket PC対応 定番。

WordLinker for Pocket PC 未使用。辞書不在の穴をどこまで埋められるかが焦点。

そうそう,ActiveSyncのCD内収録のOutlook(母艦用PIMソフト)が相変わらず分かりづらい場所に〜と書こうと思っていたら,CDを入れる袋に『Microsoft ActiveSync 3.1 CDのExtrasフォルダ内』とデカデカと書かれるようになりました(笑)

その他ハードについて

E-700&iPAQ ACアダプタ
E-700&iPAQ ACアダプタ 黒がiPAQ
E-700&iPAQ ACアダプタ
E-700&iPAQ ACアダプタ

さて,ポイントとなりそうなことに関しては一通り書いてしまったので,あとはその他気になった点を列挙してみたいと思います。

カーソルの使い勝手

カーソル,Enter(アクションボタン),カーソル(ナビゲーションボタン)兼用の件の特徴的なボタンですが…
使い心地は悪くないです。誤操作の心配も特にないでしょう。強度的にも問題なさそうです。

個人的にはアクションコントロール(偽ジョクダイアル)が無いため,両手を使わない場合不安定な持ち方になってしまうのが不満といえば不満ですが,ジャケットコンセプトの実現のためには止むを得ない所ですね。

ただし,これはカーソルも含めてなのですが『同時押しが検出出来ない』点はゲーム用途には致命的です。

『Turujah』という縦スクロールシューティングを例に取るなら,『移動中はショットが撃てない』『斜めが検出不可のため4方向にしか移動できない』といった具合。

縦シューの基本といったら『とりあえず弾蒔き』『斜め移動』な訳で…『やってられません』(苦笑)

処理速度が高くエミュレータ用途なども期待されるiPAQですが,この点は『覚悟』して購入してください。

# まぁ,画面上に疑似ボタンが用意されているソフトもあるにはありますが…これも同時押しは出来ませんからねぇ。

追記

またこのことはハードウェアボタンへのアプリケーションの割り当て数にも影響しています。

CASSIOPEIA系はボイスレコーダボタン以外に本体前面に付いているボタンは3つしかありませんが,さらにそれぞれのボタンに対してアクションコントロール(iPAQではアクションボタン)押下時の割り当ても出来たため,(ボイスレコーダボタンを含めると)7つのアプリケーションを割り当てることが出来ましたが,iPAQでは同条件下5つまでしか割り当てることが出来ません。

たった2つの減少ですが,実用上は結構大きな違いとして感じられるポイントと言えましょう。

音関係

本体スピーカの音圧がE-700以上に上がっています。 E-700の1.2〜1.5割増しといった所。
ただし,最大音量だと結構聴くに耐えない音のような気もしますね(^^;

音質的にはE-700とほぼ同等かやや落ちる程度(ジャケットの有無によっても違う)ですかねぇ。
好みにもよりますが,iPAQの方はかなり金属的な(悪い意味で)エッジの立った音がするので,音楽鑑賞用途にはE-700のスピーカの方が向いているようです。

ヘッドフォン端子使用時についても同様に音圧がかなり上がっています。
うっかりボリューム最大のまま再生したりすると『鼓膜にダメージがいきかねない』ので注意した方が良いでしょう。 <本気

音質はE-700と同じかやや上でしょうか?

ヘッドフォン端子はE-700同様本体上部左側についていますので,取り回しに不便はありません。

CFジャケット

標準でついてくるCFジャケットですが,CFスロットには『ダミーカード』が挿入されています。
無くしそうなのが少し気になる所ですが,何らかのカードを差しっぱなしにして外出時には持っていかないのが妥当な所かも知れませんね。

それと既に語り尽くされたことですが,ジャケットを合体させると『シューカッシャン』といったような効果音が出ます(無論無効化することも可能です)。

またスタートアップ『\Windows\スタートアップ』に登録されている『HH_DM.lnk』はジャケット認識用の常駐プログラム(へのリンク)のようです。 常駐を外すとジャケットが使えなくなるので注意しましょう。 <普通はそんなことしないって(^^;

赤外線アダプタ

本体側面についていたE-700と異なり本体上部についていますので,他ユーザやICカード公衆電話とのデータのやりとりを行う際には便利ですね。 拡張スロットを外部に追い出した恩恵と言えるでしょう。

# IrGear for KEITAIとの連携時はかえって不便かも(^^; あとはランドスケープ時とか。

スタイラス格納ギミック

まぁ,面白いことは面白いのでしょうが…慣れの問題もあるかとは思いますがE-700のように直接引っ張りだせた方が便利に感じてしまうのは私だけでしょうか?

スタイラスの形状も凝っているのはいいのですが,断面形状が非対称なため差し込み方向を間違えると差せないので結構不便に感じます。

# E-700の場合断面形状が単なる丸だったので差した後途中で捻れば収納出来た。

またスタイラス格納用の穴を上からみると分かりますが,スタイラスを固定するパーツがプラスチック製で強度的に不安を感じます。 余計なギミックを入れて耐久性を落とすのであれば本末転倒ですから気になる所ですね。

ちょっとイマイチな点

ソフトモデムが非搭載

まずこれは分かりきっていたことですがE-700などのようにソフトウェアモデムを搭載していないため,携帯電話やPHSと接続する方法が標準では用意されていません。

ジャケットにCFあるいはPCカードのケイタイモデムカードを差した上でケーブル接続するか,IrGear for KEITAIのような赤外線アダプタ,あるいはIrモデム搭載の携帯電話を使用する必要が有ります。

まぁ,P-In Comp@ctやC@rdH"64 petitをCFジャケットと組み合わせて使う分には問題はないのですが…

携帯電話接続用のモデム機能を持ったCFジャケットなど日本の国内事情にマッチしたオプションの登場に期待したい所ですね。

ACアダプタが大きい

まぁ,jornada系程ではないんですが,ACアダプタが大きいです。
しかもCASSIOPEIA系やMobileGear系と違ってコンセント挿入時の他のコンセントへの干渉を考慮したデザインになっていないので場合によってはかなり困ったことになりそうですね(苦笑)

幸い加賀電子が小型ACアダプタの発売をアナウンスしていますから,こちらに期待といった所でしょうか。

追記

加賀電子の小型ACアダプタを購入しました。
紹介記事はこちら

追記

書き忘れていましたが,コネクタ形状及び,V数,A数が5V系CASSIOPEIAのACアダプタ(黒い奴)と同じなので(保証は無論しませんが)流用が効きますね。
ただ微妙に接続が緩いような気もしますけど(^^; <ウチのは結構抜けやすいです

ストラップ穴がない

以前から散々言っていることですが,ストラップを取り付けるための穴がありません。

GFORTや新CLIEにはあるんですけどねぇ… iPAQは本体のみだと表面がツルツルしいてるだけにウッカリ落下させて破損なんて可能性も高いように思うのですが。 そうならないよう気をつけつつ後は祈るだけですね(苦笑)

追記

無理やりストラップを固定しました。
関連記事はこちら

端子カバーが一切ない

うーん。ジャケット用端子,シリアル(USB)端子含め端子類のカバーが一切ありません(汗)

まぁ,これは海外では端子保護などを目的としたノーマルジャケットが標準添付だった所を競合マシンとの兼ね合いでCFジャケット標準添付にしたことによる結果ですから,一概には責められませんが…

湿度が高い日本の特殊事情も考慮するとちょっと気になりますね。

付属ケース

てっきり付属ケースなんてものは無いものだと思い込んでいたのですが,E-700と同じような電卓ケースタイプのケースが付属してきます。

が…iPAQの表面処理や形状から,このケースから取り出そうとして本体を落っことす瞬間が脳裏に想起されてしまいどうしても使う気になれません(苦笑)
ちなみに本体のみを格納するタイプです。

# しかし,この形状をよく電卓ケースと表現しますけど,今時の電卓ってケース付いてるの少ないですよねぇ(^^;

クレイドルの形状

まぁ,本体デザイン共々好みの問題ですが私はどちらもあまり好きになれません。
ってのはこの際どうでもいいんですが(いいのか?(^^;),コネクタ形状などの関係もあって本体をアバウトに挿入しようとするとコネクタに上手く刺さらない場合があるのがちょっと気になりますね。

特にCFジャケットを装着した状態だと結構強めに力を入れて挿入する必要があるので,端子が破損しやしないかと少々心配になります。

所でジャケット装着時に使用するクレードルのリリースボタンの存在に初め気付かなかったのは私だけでしょうか? <マニュアル読めよ(^^;

# 裏側(Not下面)についてます。

# ジャケット装着時は押し込みっぱなしにして使うものなのかも…

総括

ここまで読み進んで来られた方は既にお分かりでしょうが,やはり事前の下馬評通り『高速性』と『戸外での視認性』『ジャケットによる拡張性』などが際立った結果となりました。

結局iPAQを選ぶかその他の機種を選ぶかというのは,上記3点とその他の(決して少なくない)欠点のバランスを自分の利用方法に照らして考えた時どうとらえるかということに尽きるでしょう。

また,現状ジャケットコンセプトとはいったものの正式にリリースされるのが分かっているのは添付のCFジャケットを除くとPCカードジャケットのみです。

無線LANカードなどPCカードが使えるだけでもかなりの拡張性が見込めるのは確かですが,その拡張性も携帯電話などとの接続を考えた場合(体積が増すばかりで)メリットとはなり得ません。

これらの問題点を解決するような,あるいは現状では想像もつかないようなジャケットが発売されるようになった時こそiPAQの真価は発揮されるはずです。

が,この辺りがどうなるのかはまだまだ闇の中で,結局はCOMPAQのやる気と需要と供給の関係からどれだけiPAQが売れてジャケット市場の規模がどこまで成長するかに全てがかかっていると言えるでしょう。

ジャケットコンセプト。 確かに面白く可能性を垣間見せてくれる刺激的な要素ではありますが,全ては今後次第です。
この『可能性に投資する』のもコンピュータを購入する時の醍醐味と言えるのかも知れません。

おまけ

私は全く価値を見いだしていないのですが,数値で知りたいと思う人もいるかも知れないので,参考までに私が計測したベンチマーク値を列挙しておきます。

ちなみにどちらもフルリセット直後,ベンチマークソフトのみをインストールした値です。

# E-700に関しては『CASIO Update Pack Version 1.01』は充ててあります。

GAPI Benchmark 2.0

iPAQ

E-700


VOBenchmark

iPAQ

E-700

Memory Card BenchMark 数値が低い程高速

iPAQ

本体メモリ
シーケンシャル 書き込み12297/読み込み379
ランダム 書き込み12197/読み込み566

CFメモリカード(SanDisk 64MB)
シーケンシャル 書き込み5638/読み込み1667
ランダム 書き込み5352/読み込み2510

E-700

本体メモリ
シーケンシャル 書き込み17295/読み込み724
ランダム 書き込み17268/読み込み1080

SDメモリカード(Panasonic 64MB)
シーケンシャル 書き込み7238/読み込み7134
ランダム 書き込み6194/読み込み10714