現時点でPDA最強のスペックを備えるX50vの唯一の泣きどころと言われているのが,メモリ構成でしょう。
RAM 64BM(ユーザ有効使用領域44MB)/Flash ROM 128MB(ユーザ有効使用領域96MB)と,RAMが少なく,ROMが多いというhx4700と同様の構成になっています。
hx4700を利用した時にも思ったのですが,確かにRAMが少ないのは残念なものの,ROMが多いのは意外と便利です。
私の場合,常駐物とコントロールパネルアプレット系(Spb Pocket Plus/PocketTweak/Happy Tapping Keyboard/SE_VGA)以外の全てのソフトをFlash ROM(もしくはSD)上に導入しています。が,再起動後の(スタートメニューの)初回アイコン読み込みで若干待たされる以外は,RAM上に導入したのとほぼ同様の感覚で利用できています。
# もっとも,導入場所に関わらず,Windowsフォルダ辺りに大量のファイルを放り込んでくれるソフトもあるわけですが……。
ソフトを立ち上げたまま電源のオンオフを行っても,(今のところ)一度もフリーズしていませんし,立ち上げにかかる時間も(若干は遅くなっているのでしょうが)特に問題のないレベルです。
ただし起動時に外部データを読み込むタイプのソフトで,データもFlash ROM上に導入したところ,起動速度が低下するソフト(「TRAIN」など)がありました。
また外部データを常時読み込むタイプのソフトの場合,動作速度が低下するものがあるようです。具体的には「Acrobat Reader for Pocket PC 1.0」でフォントの描画にかなり時間がかかるようになります。
# 「TRAIN」はデータだけ逃がし,「Acrobat Reader」はフォントだけ逃がす方法がわからなかったためSD上に導入しています。また「Pocket WZ ver.3.0」のメールボックスも,サイズが大きいためSD上に逃がしました。
私の環境では,この状態でも本体メモリのバックアップをFlash ROM上に3世代分保存しておく余裕があるため,バッテリー切れなどでRAMデータが飛んでもその場で素早く復帰させることができるのも,ありがたいところです。
# Flash ROMにソフトを逃がしている分,RAMの使用量が減りバックアップファイルが小さく,バックアップ/リストア時間も短縮されているわけですな。
もっとも,X50v(というか2003 SE?)はメモリが減ってくると,不安定とはいかないものの,動作速度が低下する傾向がある気がするので,RAMがもっと多ければより快適な環境が望める可能性は高い気がします。
# この点を除けば,非常に安定したマシンだと思います。少なくともhx4700よりは安定性が高いと『私は』感じました。
幸いX50vは,再起動所要時間が実測で20秒弱と比較的早いので,ちょっと動作が重いなと感じたら,区切りのよいところでソフトリセットしてしまうのが手っとり早くてよいのかもしれません。
価格やバッテリー駆動時間据え置きなら,諸手を挙げて128MB搭載に賛成したいところですが,安価な価格設定も本機の魅力のひとつなので価格設定によっては欲しいといったところでしょうか。
ちなみに,各ストレージのマウント名(?)は「内蔵ストレージ」「SD カード」「CF カード」となっています。2バイト文字なのは激しく頂けませんが,昔と違って半角カナではないだけまだマシかもしれません。
安定性に関してもう2点。
SIP(ソフトウェアキーボード)のデフォルトを(「PocketTweak」で),「手書き検索」or「手書き入力」に変更した際,リセット後の初回展開時に表示欠けが発生することがありました。デフォルトを「Happy Tapping Keyboard」に変更してからは同現象は発生していません。
また「設定」「システム」タブ→「画面」「文字サイズ」タブで文字サイズを変更したところ,「Pocket Word」などの標準のファイル選択画面(コモンダイアログ)で一部表示崩れ(下の画面が一部透けて見える)が発生することがあるようです。
まぁ,どちらもさしたる実害はありませんが。