X50vには,現行XScaleプロセッサ最速のPXA270 642MHzが搭載されています。
PXA27xシリーズは,ワイヤレスMMXとワイヤレスSpeedStepの搭載やセキュリティ機能の強化,USBホストやデジカメインターフェースの搭載などが強化点のようですが,本機の場合ワイヤレスMMXとワイヤレスSpeedStep以外はとりあえず関係がなさそうです。
さて,肝心の動作速度ですが……。
何やらもっさりしています。Today表示時やスタートメニュー展開時には,アニメーション設定を切ったにもかかわらずアニメーションっぽく見えてしまい,一昔前のマシンを思い出してしまいました。
# 「設定」などを操作中に上手く画面が切り替わらず,ナビゲーションバーをタップすると切り替わるなんてことも。
が,これは「設定」→「システム」タブ→「電源」「プロセッサ」タブのプロセッサスピードが,デフォルトでは「自動」に設定されているためでした。同タブでは「現在の速度」が表示されるのですが,「自動」の状態では(アイドル時?)104MHzまでクロックダウンしています。
動画再生など負荷がかかる作業を行うと勝手にフルパワーになるため,重い作業やアプリケーションの起動時には問題ありませんが,逆にメニューの表示といった軽い作業ではクロックが低い(もしくは上がるのが間に合わない?)ため,動作が鈍く感じてしまうようです。
「最大性能」(624MHz),「正常」(520MHz),「PowerSave」(208MHz),「自動」(104MHz〜624MHz)の4パターンが選択できるので,運用次第でどうとでもなりそうです。
# しかし,直訳にしても「正常」はないですよねぇ。他は「異常」なのかと問い詰めたくなってしまいます。元は「Normal」だったんでしょうか。
# やはり「Normal」だったそうです。情報ありがとうございます。 >中村さん
「最大性能」時に関しては,VGA画面に対応せず縦横倍に伸張表示されるソフトでやや動作が鈍く感じることもありますが,それ以外は概ね快適な速度で動作しているようです。
CPUつながりで,もう一点。
母艦との接続が相変わらずUSB1.1のままです。が,この辺りはCPUに内蔵されたコントローラを利用していると思われるため,Intelが腰を上げてくれない限り改善は望み薄でしょう。
もっともZaurus SL-C3000のように大容量ストレージを内蔵しているわけではありませんから,巨大なファイルをSDやCFに転送する際はカードリーダを併用するようにすればさしたる実害はないわけですけれど。
閑話休題。
本機の動作速度というとCPU以上に気になるのが,IntelがPXA270とセットで用意した「2700G マルチメディア・アクセラレータ」の実力でしょうか。
とはいえ,PDA向けの普通のソフトを動かしたのでは違いを実感することはできませんから,当面は動画再生関連……。というか,Windows Media Player 10は2700Gの性能を生かせていないようですので,「BetaPlayer」の話ということになってしまうのは,なんとももったいない限りです。
で,「BetaPlayer」ですが,DivX VGA 2Mbps 25fps/MP3 44KHz 128kbpsでエンコードしたAVIファイルが普通に再生できてしまった時点で,再生テスト(最高画質を求めて試行錯誤)を行う気が失せました。
# ソースによっては少々厳しいこともあるようですが。 <2Mbps
この辺りになると目を皿のようにしてもブロックノイズは見えない状態なので,以降エンコード作業は最高画質を追い求めるのではなく,ファイルサイズを重視しつつ妥協点を探る方向にシフトするのではないでしょうか。
この辺りの事情はhx4700でも同様ですので,対hx4700で2700Gの搭載が魅力的かと言われると(よい意味で)「50歩100歩」なので,液晶なり,本体サイズなり,駆動時間なり,動作安定性なりの他の要素で選択した方がよいような気がします。
もっとも,PC向けのMPEGファイルをエンコードしないで再生しようとすると差が出てくるかもしれませんが,ストレージ容量の問題もありますからね。
# PC向けに配布されているVGA 5MbpsのMPEGファイルをmicrodriveに入れて再生したところ,読み込みが発生するタイミングで止まる以外は普通に再生できました。
ちなみに「Windows Media Player 10」は,私が試した限りではVGAにすると,300Kbpsでもコマ落ち状態でしたので,実質QVGAの伸張表示以外使い物にならないと考えてよさそうです。