本ページでは『“入力”ならジョルナダ! キャンペーン』で現在売り出し中のhp Jornada 568(以降j568)専用外付けキーボード『hp jornada Pocket キーボード』と,販促用に添付されている手書き文字認識ソフト『Decuma Japanese』について,その特徴と長所を『でもCF TypeIじゃね』と言われ続けた鬱憤晴らしに吹聴しようという趣旨の,いわゆるヨイショ記事です(笑)
といっても,記事中には誇張や嘘は基本的に混入していない『つもり』ですので,その点はご安心を。
なお,本記事はhp jornada Pocket キーボードの入力テストをかねて,j568上で作成されています。
# タグ打ちと文章修正はさすがに時間の無駄なので,PC上で処理してますが(^^;
時間が取れず,Decuma Japaneseの記事はPCで書きました(^^;
j568発表当初からウリのひとつとされていた,専用キーボードがようやく発売されました。
写真をみてもらえれば分かる通り,従来の外付けキーボードと異なり,本体上面にフリップカバーの代わりに被せるタイプの小型キーボードとなっています。
ZAURUSの内蔵キーボードを後付けにして,やや大げさにしたものと思ってもらって間違いないでしょう。
最初に結論を書いておきますが,キータッチも良好で期待に違わぬすばらしいできになっています。
大きさ的には本キーボードを本体に装着すると,単体にくらべ,長さは1.1倍強,横幅はほぼ同等(微増),厚さは1.5倍弱程度になります。
公称値が分からないのでテキトーな実測値を書いておきますと,縦148mm,横79mm,厚さ22mm(キートップを含めると+1mm)といったところでしょうか。
重量はCE FANの記事によれば52gと非常に軽量になっています。
したがって,トータルでは173g+52g=225gとなりますから,E-750あたりとくらべればまだ25g程軽いことになりますね。
jornada 568 132(H)*76.5(W)*17.2(D)mm 173g
CASSIOPEIA E-750 132.2(H)*83.6(W)*20(D)mm 約250g
大体ジーンズの後ろポケットに入れるとちょっとつっぱるかなといった感じの大きさですので,夏場にポケットに入れるのにはやや無理のあるサイズといったところでしょうか?
# 縦に盛大にはみ出ますが,一応Yシャツの胸ポケットにも入れられなくはありません(^^;
# 長時間バッテリを付けていてもOKです(笑)
次に全体的な作りですが,標準のフリップカバーと交換式のため本体上部のフリップ用取付穴が利用できる上,本体前面全体に覆いかぶさる形で装着され,さらに本体下部のシリアルコネクタにスライド式のコネクタをキッチリとはめ込むため,後付けパーツにありがちなガタ付きは通常利用においては全くありません。
コネクタ部分も写真を参照してもらえれば分かる通り,ピッタリはまるため,変な段差もほとんどできないといっていいでしょう。
# あえてケチを付けるなら,キーボード両端の本体に被いかぶさっている部分(つまりキーボードの左右下端)にエッジがあるのが鬱陶しいといえなくもないですが… ここにケチを付ける人はまずいないかと(笑)
本キーボードはフリップカバーの代わりに取り付けるわけですが,キーボード上にさらに小型のフリップカバーがついていて,画面を保護するようになっています。
このカバー部にはスプリングが内蔵されているため,片手で簡単にはね上げることが可能なのは便利ですね。
# この状態だとカバーがプラプラしますが,さらに180度以上開くと完全に固定されます。
# が,これをやるとボディに擦り傷がつく可能性がありますね(^^;
# 私は気にしませんが(笑)
その代わりといってはなんですが,このカバーの支点が構造上キーボードの上部…フリップ上端ギリギリまで占有してしまっているため,キーボード自体をフリップカバーとしてはね上げるといった使い方にはあまり向いていないようです。
# 液晶面に対して90度までであれば,やってやれないことはないですが,本体と干渉するので傷の原因にもなりますし,キーボード側の支点部分が削れてダメになる可能性がありそうですので,お勧めしません(^^;
なお,キーボード接続時は本体下部のシリアルコネクタにキーボード側のコネクタを接続してしまうため,そのままではクレードルに挿すことはできなくなってしまいますが,コネクタをはずすとキーボードを(フリップ状に)20度程度はね上げることができるので,クレードルへのドッキングはこの状態で行うことになります。
# この少しキーボードを浮かした状態で,キーボードに覆われてしまったj568本体側のカーソルやアプリケーションボタンを操作することも一応できます(笑)
キーボード左サイド下にはキーボードロックスイッチ兼,電源スイッチが取り付けられています。
このスライドスイッチを手前に引くことで,キーロックを解除。
押し込んで本体電源をONすることができます。
しかし,残念ながら長押しによるフロントライトのON,OFFには対応していないようです。
# 個体差かもしれませんが,私の手持ちのものではこのスライドスイッチが緩めな感じです。 定位置から少し動く程度なので実用上支障はないものの気になりますね(^^;
# 余談ですが,このスイッチの動作のために(?)ボタン電池がキーボード内に装備されています。
# 電池を抜いても,電源ON以外の機能は全て正常に動作することから推測。
また,キーボード正面左下にはマイク用。 右側面下にはスピーカ用の穴が開いているため,キーボードを装着したままでこれらの機能も利用可能です。
さて,いよいよ実際のキーボードの使い勝手なわけですが…
冒頭でも書いたように極めて良好です。
電卓のごとく小さなキーですが,ゴムではなくプラスチック製で,クリック感があり,小さいながらも打鍵音も(カチカチと物理的に)しますので,押したか押さないかわからないといったことはありません。
たとえるなら『非常にデキのいい携帯電話のテンキー』に近い感触ですね。
# いや,硬質ゴムだとかいうのかもしれませんが(^^;)
# ちなみにウチの奴はIのみクリック感が弱い(底打ち感がある)ですが,仕様なのか個体差なのかは不明です。
またキートップの形状とキー間隔の妙なのか,間違って2つのキーを押してしまったりということも(少なくとも私は(^^;)ありません。
ブラインドタッチを習得するのはなかなかに大変そうではありますが,やってやれないことはなさそうな雰囲気といえましょう。
# ま,Pocket PCの場合画面とキーボードの間での視線移動量が少ないですから,ブラインドタッチができなくてもそんなに困ることもないでしょうし。
さて,次にキー配列ですが,これに関してはまず写真を見てください。
アルファベットに関しては標準的なQWERTY配列が採用されていますが,バックスペースが上二段目の右ハジにある点には少々なれが必要かもしれません。
うっかりすると,その下のEnterと押し間違えてしまうこともありそうです(^^;
キーボード上には左右のカーソルキーのみ装備されています。
上下移動には,本体左サイドのスクロールボタンを使ってねということなのでしょう。
不便といえば不便ですが,Shiftキー(左下の↑キー)との組み合わせで範囲選択したり,文節の区切り直しをしたりといったこともできるので,こと文字入力に関していうなら,さほど問題にはならないのではないでしょうか。
一番左下にある黄色いキーが特殊キーです。
このキーと各キーを同時打鍵することで数字やCAPS,記号などキートップに黄色で書かれている文字や機能を利用することができます。
日本語ドライバの場合PageDownの代わりにESCがアサインされているため,変換時の取り消し動作などに利用できるのはありがたいところでしょう。
また,SYMを押すことで,画面上に記号入力テーブルが表示され,対応するキーを押すことで,特殊記号を入力することが可能です。
# 説明するまでもないでしょうが,OFFってのは本体電源OFFのことですね。
# ちなみにPageUpは日本語ドライバでは未定義。
# しかし,同時打鍵ってのは両手が使える右手側(HとかJとか)はともかく,左手側(GとかFとか)はホームポジションから指を放さないとちと厳しいものがありますよねぇ(^^;
# 仕方ないことですが(苦笑)
すでにカーソルキーのところでも触れていますが,左下にある↑キーがShiftキーです。
通常のキーボード同様,大文字を入力したり『ロマカナ入力中にアルファベットを入力』するのに利用できます。
上記に加えて,Shift+SpaceでSIP(入力パッド)の表示非表示,Shift+EnterでWindowクローズ,Shift+BackSpaceでDELキーがアサインされています。
Spaceキーの左隣のキーがバックライトキーになっています。
このキーを押すことでキーボードの文字が青く光るため,ZAURUSなどと違って真っ暗な場所でも問題なく文字入力ができるのはありがたいところですね。
# 電源投入時やキーボードコネクタ接続時に自動点灯することもあるようですが,暗いとかならずつくというわけでもなさそうな点は謎です(^^;
残念なことに存在しません(^^;
したがってカット&ペーストなどのショートカットは利用できない模様です(苦笑)
ソフトウェアと実際の使い勝手に関して検証して見ましょう。
キーボードドライバはデバイスドライバというよりは常駐ソフトといった趣になっています。
つまり,キーボードを使う際には『HP Pocket・キーボード』というソフトを立ち上げる必要があるわけです。
したがって,このソフトのショートカットをスタートアップフォルダにでも放り込んで置かない限りは,リセット直後は電源も切れないということになってしまうのは,いささか不便なものがありますね(苦笑)
また,hpタスクスイッチャーなどのタスクマネージャで全アプリを終了させると,このソフトも終了してしまう点には特に注意が必要かもしれません(^^;
純正タスクスイッチャーなんだから本ソフトを終了しないように,あらかじめ対応しておいて欲しかったものです(苦笑)
# せっかくhpタスクスイッチャーはActiveSyncを終了しないようにできてるのにねぇ。
# まぁ,これもある意味余計なお世話のような気もしますが(^^;
さらに,これは本ドライバの最大の弱点ですが,英数←→かなのモード切り換えの際には標準のSIP(ローマ字/かな)側で画面タップをして切り換えてやる必要があります。
もっとも,単に文中に英語が混じっている程度であれば,キー配列の項で触れた通り,Shiftキーを併用することで問題なく入力でき,大文字小文字,全角半角は変換機能を利用してやることで対応可能です。
が,『半角スペースが入力できない』という問題は残ってしまうのがちと苦しいところですね。
# 先に述べた通り,Shift+SpaceにSIPの表示非表示が割り当てられているため。
また,PocketWordなどでは問題ないものの,PWZ EDITORなど一部のアプリケーションでSpaceキー打鍵でスペースが2つ入力されてしまうのも,少々頭の痛い問題といえるでしょうか。
加えて私が確認したわけではありませんが,Web上の報告などを見ているとターガス(およびHP純正)のキーボードのドライバとコンフリクトするとか。
# ターガス側のドライバでキーボードをオフにすることで問題なく利用できる模様。
とまれ,日本HPにはドライバのアップデートによる更なる操作性の改善を期待したいものです。
以上,hp jornada Pocket キーボードについて概観してきたわけですが,本キーボードはドライバ(制御ソフト?)部分でやや詰めの甘いところが散見されるものの,こと文字入力に関しては,文節移動,文節区切り直し,取り消し,範囲選択の各機能を直接キーボードから操作できるため,おおむねストレスなく作業に集中することができます。
加えて,j568本体とのマッチングやキータッチなど,ハードウェア部分に関しては(各種前提条件を考慮に入れた場合)満点に近いできといってもよい状態ですから,使う人間次第ではかなり高速な文字入力が可能でしょう。
# キーボードを付けているとアプリケーションボタンが利用できなくなるという問題は如何ともしがたいものがありますが,その辺はボイスレコーダボタンにhpホームメニューなどのランチャソフトを割り当てることで補うしかないでしょう。
# j568は1つのボタンに対して標準で長押しを含む2つを割り振れる分,まだ融通が利きくのはありがたいところです。
# なんとなれば,BtnPlusを利用して,3つのソフトを割り付けるという手も使えますしね(^^;
本キーボードは,これまでラインナップされていたターガス製キーボードと異なり,電車の車内などで立った状態で利用できるのが最大のアドバンテージということになります。
ちょっとしたメモ程度に使用するにはやや大柄な感はあるものの,メールの返事や掲示板のレス付け,チャットといった用途にはもってこいのオプションといえます。
AirH"による無線常時接続環境が普及しつつある現在,このキーボードの利用価値ははかりしれないものがあるといえるのではないでしょうか?
既に(私がボケボケと記事の公開を送らせているうちに(^^;)PC Watchなど複数のサイトで関連記事が掲載されていますので説明の必要もないかもしれませんが,Decuma Japaneseとはスウェーデンの企業が開発した手書き認識ソフトです。
このソフトの話は事前に某ムック本の関係で噂を聞いていて非常に期待していたのですが,実際に使ってみると…期待以上のソフトでした。
私は手書き認識に関する記事を書いた頃から,基本的に手書き入力派で,最近はGraffitiにも目覚めメモ書き用途にCLIE PEG-T600Cを購入してくる程度には入れ込んでいたのですが,Decuma Japaneseを入手してから一気に利用率が落ち込んでしまった程です(苦笑)
Decuma Japaneseのどの辺りが使いやすいのか,標準の手書き入力(SIP)と比較しつつその特徴をみていきましょう。
まずなんといっても,複数の入力モードを切り換えて利用できるのがありがたいところです。
全ての文字種を認識可能な『標準モード』
ひらがな,カタカナ,記号に対応した『かなモード』
アルファベット,数字,記号に対応した『英数モード』
以上,3種の入力モードをタブで素早く切り換えて利用することができます。
とこう書くとそんなの標準の手書き入力でもOKじゃんという声が聞こえてきそうですが,標準のSIPと違ってアルファベットを指定したのに,認識結果はそれ以外の文字種になってしまったなどということがなく,極々まっとうな動作をしてくれます(苦笑)
# ま,標準の手書き入力の仕様が変だっただけともいいますけど(--;
# この辺りはPocket PC 2002ではかなり改善されていますけどね。
入力ボックス(認識領域)が2つしかない標準の手書き入力と違い,複数の入力ボックスを備えています。
標準モードは漢字などを書くこともあって認識領域を大きめに取って4マス。 かなモードは6マス。 英数モードは8マスを利用することができます。
本ソフトの最大の特徴なのですが,認識結果がインライン(エディタの入力行)ではなく,『入力ボックス内に逐次表示』されていきます。
と書くとなんてことはなさそうな感じですが,これのおかげで認識結果が大きく表示され判別が容易になるだけではなく,入力行と入力ボックス間で頻繁に視線移動を行う必要がなくなるという非常に大きなメリットは見逃せません。
認識結果が望むものでなかった場合,入力ボックス右下のマークをタップすることで,入力ボックス内に8つの認識候補(候補リスト)を表示することができます。
認識候補の選択自体は標準の手書き認識でも行えましたが,こちらも認識結果同様『インライン表示でない』ところがミソですね
入力後ペン先をほとんど移動させることなく,認識候補の選択が行えるため認識結果の修正を迅速に行うことができるわけです。
候補リスト表示中に再度×マークをタップすることで認識結果がクリアされるため,いちいちBackSpaceまでペン先を移動させる必要がない点も便利でしょう。
また,認識候補の表示サイズが大きいのも,判断を助けてくれます。
認識結果のバックグラウンドカラーが文字種によって異なっているため,漢数字の『一』と長音『ー』,記号『−』などの紛らわしい文字種を一発で見分けることができます。
候補リストも同様の規則で色分け表示されるため,素早い判断が可能です。
標準および,かなモードなら4分割。 英数なら縦3分割といった具合に,1マスの入力ボックスが複数のエリアに分割されていて,入力判定に有効活用されています。
たとえば標準のSIPでは誤認識されやすい拗音『ゃ』『ゅ』などを入力する際には,左下の入力領域内に納まるように入力すれば,ほぼ間違いなく認識させることが可能なわけです。
同様にアルファベットの大文字小文字も,そこそこの精度で書き分けることができます。
標準の手書き入力では,どの場合にどの文字種として認識されるのかという認識基準が(いかにもMS製品らしく?)イマイチよく分からなかったのですが,本ソフトではマニュアル(PDF形式)に『認識が難しい文字の直前入力文字ルール』と題して,表が掲載されてます
たとえば,『こ』の場合,直前に入力した文字がひらがななら『こ』カタカナなら『ニ』,漢字なら『二』,数字なら『=』といった具合です。
いちいち経験を積んで認識ルールを新大陸よろしく『再発見』する必要がないのはありがたいところでしょう(苦笑)
また,ひらがな,カタカナ,英数に関しては『文字の書きかたの例』と題した書き順入りの図がマニュアルに掲載されているのも助かります。
Decuma Japnaeseには前述の入力ボックスとモード切り換えタブ以外に8つのボタンが装備されていおり,左上から順に左右カーソル,変換,Space,BackSpace,Enter,ヘルプ,送る(?名称不明)ボタンとなっています。
通常のIME同様,左右カーソルで文節移動をしたり,BackSpaceで変換を中止して未確定文字列に戻したりといった作業ができるため,変換動作でできないのは文節の区切り直し程度となっています。
ちなみに文節の区切り直しに関しては標準の手書き入力同様,変換文字列(インライン表示部)をドラッグすることで区切り押しが可能です。
なお,Decuma Japaneseは入力文字ボックスの1マス目に入力した時点で逐次,入力ボックス内の認識結果が『未確定文字列』として転送されるのですが,送るボタンを利用することで,認識結果を『確定文字列』としてアプリケーションに転送することができるので,漢字かなまじり文など,後変換の必要ない文字列を送る場合に便利でしょう。
以上,Decuma Japaneseの機能について簡単に説明してきましたが,ここからはまとめをかねて,実際のところ使い物になるのかという点に焦点を絞り,私の感想を書いてみたいと思います。
主に標準の手書き入力との比較になりますが,かな,カタカナ,英数の認識に関してはかなり優秀な部類に入ると思います。
楷書できちんと書いてさえいれば,字のヘタな私が書いてもきちんと意図通りの認識結果を得ることができました。
ただ,速記をするべく字を崩してしまうとさすがに誤認識が多くなってくるのはいたしかたなしといったところでしょうか。
誤認識した場合ですが,標準の手書き入力の場合認識候補表示に意図しない文字が表示され,肝心の候補が表示されないことがしばしばあったのに対して,Decuma Japaneseの場合ではかなりの高確率で候補リストに目的の文字が含まれているのも特筆すべきポイントといえましょう。
ただし漢字に関してはやや苦手のようで,字によってはかなりキッチリと書いてやらないと候補リストにも表示されないことがありました。
2度書いてダメな字はひらがな入力して変換してしまうのが吉かもしれません(^^;
# 手書き検索と併用するのも吉かも。
また,Decuma Japaneseの場合,標準モードで漢字やかなと英数などを混在させて入力してもなかなかの精度で認識してくれるため,頻繁なモード変更をさけられるのもありがたいところです。
非常に良好です。
PCの感覚だと,インラインで文字入力できた方が便利という固定観念があったりするのですが,PDAの場合大抵は入力ボックスと実際の入力行とでは上下に離れてしまっていることが多いため結局は視線移動が頻繁に発生してしまうことに繋がっていました。
入力ボックス内で認識結果の確認から認識候補の再選択までをこなせるというDecuma Japaneseのユーザインターフェースはコロンブスの卵というと大げさに過ぎるかもしれませんが,発想の転換によって素晴らしい操作性を実現しているといえるでしょう。
実際,本入力ソフトの魅力は,認識精度の高さ以上にこのユーザインターフェースに負うところが大きいというのが,私の率直な感想です。
画数の多い日本語を扱う場合,PDAの画面サイズで完全なインライン手書き認識(入力領域=認識文字表示領域=入力文書表示領域)を行うことは将来にわたっても望み薄といわざるを得ませんから,Decuma Japaneseの採用する本方式はある種の最適解ともいうべき存在なのかもしれません。
通常残念な点というと,このソフトのどこそこが使いづらいという話しになってくるのですが,本ソフトの場合,漢字がやや苦手なこと,書き順などを学習させる方法がないこと,文節区切り直しを入力ボックス周辺で行えないことといった些細な不満点しか思いつきません。
# ま,贅沢をいえばPOBoxのような入力予測機能が利用できればいいかなという気もしないでもないですが,ユーザインターフェースが煩雑になってしまって良さを殺してしまうかも(^^;
そんなわけで,私がここで問題にしたい残念な点というのは『OEM供給しか予定がないこと』と『従来のj568ユーザに入手手段が用意されていないこと』の2点に尽きます。あげつらいたい
Decuma ABの発表によれば,現状単品売りは考えていないということで,現行ユーザが本入力ソフトを入手する道はほぼ断たれているというのはなんとも残念な限りです。
ジャストシステムとの提携の話しなどはでていましたから,ひょっとするとPocket ATOKに組み込まれて登場なんてことも期待できる『かも』知れませんが,現状ではPocket PC版がでるかどうかは怪しいものがあります。
私としては,MSKK(日本マイクロソフト)が,次Ver.のPocket PCに標準で搭載してくれることを強く希望したいところですね。
# してくれないなら,せめて日本語版でGraffiti搭載を省略するのをやめてほしいですな(--;
# まぁGraffitiに関しては,現状でも代替ソフトを利用するという手段はあるんですけど。
で,それ以上に残念なのが,本ソフトは現状j568専用のソフトになっているにもかかわらず,新規にj568を購入したユーザしか入手できないという点です。
何も無償配布してくれなどというつもりはさらさらありませんが,登録ユーザに対する有償配布サービスを行ってくれてもバチはあたらないと思います。
確かに新規ユーザを開拓するのも大事でしょうが,商品サイクルが短い製品である以上,既存ユーザを大事にしてリピータ(っていうんですかね?)を確保することはメーカとして重要なことだと思うのですが…
私が本ソフトの存在を知った時はてっきり,hp jornada Pocketキーボードのバンドルソフトだと思い込んでいただけに,事実を知った時はとても残念に感じられました。
私自身は,タイミングよく(泣)液晶破損で再購入したたため,本ソフトを入手することができましたが,これまでj568を愛用し盛り上げてくれたユーザさんたちが利用できないというのは本当に残念で仕方がありません。
OEM供給なために契約条件など色々とあるのかも知れませんが,そこをなんとかするのがメーカの腕の見せ所だと思うのですよね。
今からでも遅くはないですから,日本HPの英断を期待したいところです。
さて,今回はhp jornada Pocket キーボードとDecuma Japaneseについて駆け足で紹介してきたわけですが,両者とも非常に優れた文字入力デバイスと文字入力ソフトに仕上がっていると思います。
『“入力”ならジョルナダ!』という謳い文句に偽りなしというのが,私の正直な感想です。
主な使い分けとしては,メールやチャットなどある程度本格的な文書入力ならhp jornada Pocket キーボード。
PIM関連やメモなどのちょっとした文字入力であればDecuma Japaneseといった使い分けになると思います。
私自身はj568購入当初はキーボードに期待していたのですが,ノートPCを頻繁に持ち歩いていることもあり,Decuma Japaneseを主力として活用していくことになりそうです。
# 特に通常手書きでは絶対に入力したくなかった,パスワードやファイル名のフルパス入力なども,これを使えば十分実用的に使えるのはありがたいところですね。
こんなにすばらしい入力方式をTPOに応じて使い分けることができるj568ユーザは,幸せものといえましょう。
日本HPには『CF Pocket 560』(CF TypeIIを利用可能にするためのアダプタ)の一刻も早い国内販売と,先の繰り返しになりますが既存ユーザへのDecuma Japaneseの販売を期待したいものです。
hp jornada 568はどちらかといえば地味なマシンかも知れませんが,使い込めばその良さがわかるマシンだと思います。
# 私自身この時期に(PocketGear,E-2000,Pocket LOOXという選択肢を蹴って)わざわざ買い直しているわけですし(笑)
Pocket PC 2002搭載マシンの機種選定に悩んでいる方は選択肢のひとつとして,検討されることをお勧めします。
# いや,冒頭でヨイショ記事ってちゃんと明記しましたし,最後はそれらしいことを書かないと(笑)