Pocket PC(含むPs/PC)にはキーボードがありません。
※ この記事中Pocket PCと書かかれている場合Ps/PCも含みます。
いずれはサードパーティ製の外付けキーボードの登場が期待できるでしょうが,実際に出ていない以上はしょせんは絵に描いた餅と同じことです。(2000/09/26現在)
正直な話,ごく最近まで私はPocket PCで快適に日本語を入力することを完全に諦めていました。
が最近中村さんのサイトの『ちょっとしたTips』のコーナーに興味深い記事が掲載されていたので早速自分でも試してみました。
するとどうでしょう,あれほど苦痛だったPocket PCでの文字入力が面白い程快適に出来てしまったのです!
このページではその入力方法について解説してみようと思います。
# この方法はPockePCだけでなくPs/PCでも有効です。
手書き入力のタイムアウト値を最小にします 。
まぁ,これは手書き入力を使っている人にとっては周知の事実かも知れませんが,設定→入力にある手書き入力を指定,プロパティを表示し『タイムアウト値』を最小値の『1』にします。
こうすることで手書き認識時の待ち時間を最小にすることが出来ます。
# 実際には認識されるまで待つことはほとんどありませんので,おまじないのようなものですが(^^;
ここからは実際の文字入力方法です。
テキストエディタなり,メモなりPocketWordなりお好みの文章入力ソフトを立ち上げて,『手書き入力』パッドをONにします。
# ただしPocket WZ EditorはIME回りの描画を自前で行っているため,この入力方法を使うには,表示→カスタマイズ→表示タブ配下の『IMEの表示』を『IME 描画(CE2.11) 』に変更する必要があります。
そうしたら後はひたすら『ひらがな』で文章を入力してください。
この時必要以上に丁寧に書く必要はありませんし,誤認識を気にする必要もありません。
手書き入力パッドの2つのマスを順々に使って次々と入力します。
# 次のマスに文字を書き始めた時点で前のマスは自動認識されるので,文字認識を待つ必要はありません。
分量的にはまぁ,1センテンス(文)程度が適当でしょう。
マニュアルを見れば実はしっかりと書いてあることなのですが(^^; ここからが『ミソ』です。
入力したまま未確定になっている(文字の下に破線)ひらがなの1文をざっと眺めて『誤認識されている場所を探します』。
誤認識部分…例として掲載してある画面キャプチャでは『ょ』が『よ』になってしまっていますから,この誤認識部分の前。『り』の直ぐ後ろあたりをタップしてみましょう。
すると『複数の認識候補がポップアップ』されるので目的の候補をタップなりアクションコントロールなりで選択します。
不幸にして認識候補の中にも目的の文字がリストアップされていない場合もありますが,その場合は入力パッドを使っておもむろに正しい文字を入力してしまいましょう。
この時メニューがポップアップした状態で入力してしまっても問題ありません。
正しく認識されたらいらなくなった文字の直ぐ後ろをタップしてカーソルを移動させてから,入力パッドのBackSpace(←BS)をタップして消去します。
一通り修正が終わり誤認識が無いことを確認したら入力パッドの『変換』をタップして変換します。
変換結果を見て結果が変な所があった場合は該当箇所をタップすれば任意の文節を選択出来ますから,適切な変換候補を選択しましょう。
# 文節を2回タップすると変換候補リストがポップアップします。当然入力パッドの変換をタップして変換してもOKです。
この時IMEが文節区切りに失敗して変な変換結果が出る場合があります。
その時は焦らずに『該当する範囲をペン先でドラッグ』して下さい。文節を任意に区切り直すことができるはずです。
正しい変換結果が得られたら引き続き次のセンテンスを入力パッドで入力していきます。変換結果は変換中に入力パッドに文字入力した時点で勝手に確定されますから,変換候補がポップアップされたままでも気にする必要はありません。
とまぁ,こんな感じです。
思いの他快適に入力出来たのではないでしょうか?
CE機の手書き入力の認識精度は漢字かなまじり文であっても中々のものですから,これをひらがなのみで使えばおのずと認識精度もUPするというわけです。
# ただし外来語(カタカナ)のたぐいは始めからカタカナで入力した方が早いケースも往々にしてありますし,画数の少ない単純な漢字であれば漢字のまま入力してしまうのも有効だと思います。
全角長音『ー』を入力する場合は前の文字を『カタカナ』で入力することで漢字の『一』になることを抑制出来ます。
こと入力の『快適さ』に関して言えば,CLIEのGraffiti+ATOK+ジョグコンにも優りこそすれ決して劣らないと私は考えます。
# 速度競争になると微妙な線でしょう。
少なくとも私は普段ローマ字ではなく『日本語で思考』してますし,ジョグコン(CASSIOPEIAならアクションコントロール)で変換せずとも文字入力をする時点で右手にはスタイラスを握っている訳ですから。
# 無論候補選択にアクションコントロールを使うことも出来ますし。
入力繋がりということで(笑)
Pocket PC(この場合はPs/PCは除外(^^;)で手書きメモ機能がパワーアップしました。
文字入力と手書き文字,手書きイラストの混在は従来通りですが,さらに音声もその場で気軽に録音して挿入することができるようになりました。
他のPDAと違ってPocket PCはマイクを内蔵していて,初めからポイスレコーダとしての使用も考慮されていますから,『時間に余裕がある時は文字入力』『時間が無い時は手書き文字』『とにかく急いでいる時は音声録音』と3通りのメモが『標準で』使えて『なおかつ一つのファイルにまとめる』ことができる訳です。
手書き文字も内部的には1文字ずつバラバラになっていますから,文字単位のカットアンドペーストも可能。
手書きイラストの再配置,リサイズも容易ですし,ページ終端では自動的にスクロールしてくれる親切設計。
このソフトの使いこなし次第でPocket PC活用に結構差が付く気がする,そんな一品と言えましょう。