今回は現在(2001/06/14)予約受け付け中の『こまもの本舗』さんの『iPAQ H3630/3660専用レザーケース(TYPE A)』試作品をお借りすることが出来ましたので,発売直前緊急レポート(大袈裟)と題して実際に使ってみた感想などをツラツラと書いてみたいと思います。
# つまりやっていることはいつもと変わらない訳ですね(^^;
まず初めに書いておきますが,私が試用したものは試作品ですので製品版と仕様が異なる場合もある『かも』知れません。
また,私はこの種のケースはExtreme Limit製のE-700用ボディースーツしか使ったことがありませんので,文中の他社製品との比較は本ケースをベースにしつつ写真などのWeb上の情報を参考に記述しているため,事実誤認が含まれている『可能性』もありますので,その点はご注意下さい(^^;
このケースはiPAQ発売後比較的早い段階に試作され,フィードバックフォームによって寄せられた意見を参考にして改良を加えリリースが決定したもの(らしい(^^;)です。
試作品第一弾の段階ではCFジャケット用のTYPE-AとPCジャケット用のTYPE-Bに分かれており,本製品の末尾にも(TYPE A)とあることからも分かる通り,本ケースはCF装着時に的をしぼって開発されています。
試しに本体のみをケースに入れてみたりもしましたが,形状的に(逆さにしない限り)落ちたりこそしないものの,当然の事ながらかなりブカブカの状態であまり実用的とは言えないというのが正直な感想です(^^;
# ちなみにPCジャケットは案の定というかそもそもケースに入りませんでした(笑)
対するExtreme Limit製のボディスーツ(同社の登録商標らしい)はCF,PCカード共用になっており,一度の出費で2種類のジャケットを使い分けられる点は本ケースには無い魅力と言えます。
# もっとも,こまもの本舗のTYPE-BはExtreme Limit製と同様CF,PCジャケット兼用の構造になっていましたから,この製品の登場を待ってみるというのも悪くない選択かも知れません。
本製品の特徴を紹介するにあたって,まずこのケースの構造について簡単に触れておきたいと思います。
これはこまもの本舗(エフテル製)のPDAケースにほぼ共通した構造なのですが,Extreme Limitの物が2枚の(革を重ねた)板状のパーツを側面のパーツでつなぎ合わせた構造になっているのに対して,本製品は背面パーツのみが板状になっており,このパーツに本体前面及び側面を包み込む様な形で柔軟性を持ったパーツを固定する形になっています。
さらに両者の違いとして本体前面を保護するためのフタがExtreme Limitの物は上開きで固定方法に金属製ホックを採用しているのに対して,本製品は下開きでベルクロを採用しています。
このこまもの本舗のケースは上記のような構造を採った結果,ボディ全体を包み込むタイプの革製ケースとしては可能な限りコンパクトに仕上がっていると言って良いでしょう。
ベルクロの採用や蓋の厚みが押さえられている点も小型化に貢献しています。
が,トレードオフとして,前面及び側面が柔らかい素材の上開口部が大きいためやや型崩れしやすくなってしまっています。
特にシリアルポート(周りの穴)や液晶の長辺部にダブつきや浮きが見られます。 この辺りは気になる人にはマイナスポイントとして映るかも知れません。
# またこれはあくまでも感覚的なものに過ぎませんが強度的な安心感はExtreme Limitのものにやや分が有ると思います。
さらにベルクロを採用しているため,静かな場所で蓋を開ける際に注目を集めやすいのも悩ましい所ではありますね。 が,ベルクロの固着力が不必要に高かったりはしないため,剥がしにくいとか必要以上に大きな音がするといったことはない点は好印象を受けました。
次に実際の使用感ですが極めて良好です。
光センサ,電源及びアラームインジケータ,電源ボタン,マイクが並んでいる上端部やボイスレコーダボタン,下部のアプリケーションボタンとナビゲーションボタン周りも大きく切り欠かれているため,ケースに収納した状態でも何ら機能を損なうことはありませんし比較的良好な操作性を確保出来ています。
# 個人的には(左手で持った場合)アプリケーションボタン1とナビゲーションボタンの↓がやや押しづらい印象はありましたが,許容範囲内だと感じました。
iPAQはCFジャケットを付けた状態だとGFORT以上に大柄なボディになってしまう訳ですが,剥き身の状態では背面に設けられたRが手にフィットし快適なフォールド感が得られているのはiPAQオーナーであればご承知の通り。
本製品を試用するに当たってもっとも心配だったのが,この長所がケース背面に設けられた板状のパーツによってスポイルされるのではないかという点だったのですが,これは私の杞憂に終わりました。
確かに剥き身の状態と同じ感覚で持った場合やや邪魔な印象があるものの,発想を切り換えてこの板状パーツの縁に指を掛ける感覚で保持することで満足の行くホールド感を得ることが出来ました。
下開きのフタを採用することで,フタを折り返さずに(=サイズ増加を招かずに)下に逃がした形で操作できる点もこのホールド感の維持に大きく貢献していると言えます。
またiPAQはアクションコントロールを持たず操作系が本体下部に集中しているため,ストラップを付けるだけでかなり劇的な操作性の改善が望めますから,ストラップ取りつけ穴が設けられている点や,昔(エフテル時代だったかな?)広告にもあった通りベルトクリップパーツを使用して簡易ストラップ代わりに使用できる点も見逃せないポイントです。
本製品のベルトクリップはエクストリームリミットの物と異なり固定式ということで,可動範囲に心配があったのですがそこそこ高い自由度があるため致命的なことにはならなそうです。
# ただし片手での付け外し等を考慮に入れた場合,Extreme Limit製のベルトクリップモデルに一日の長があると言って差し支えないと思いますが(^^;
加えて本体下部のシリアルポート&ACコネクタ周りや上部のCFスロットに開口部が設けられているため,本ケースを装着したままでシリアルケーブル(Vis-a-Visさんの充電可能な『オリジナルUSBキット for iPAQ』との組み合わせがオススメかも)やACアダプタが使用可能な上,CFタイプ通信カード(P-inComp@ctやC@rdH"64 Peti)を刺しっぱなしにしたままで蓋を開け閉めできる点など細部の作りにも十分な配慮が行き届いている点もポイントが高いですね。
# さすがにクレードルは使用できませんが,CFジャケットのみケース内に残してiPAQの本体のみ取り外してクレードルを利用すると便利でしょう。
# ちなみにフタとのクリアランスの関係でCFタイプのAirH"カード(2001/06/15 現在未発売)はフタを開閉する際には着脱の必要が有ると思われます(^^;
以上思ったことをつらつらと書きつらねて来た訳ですが,本ケースは完璧とは言えないまでもかなり優れた特徴を多く備えたケースであることは間違いないと思います。
これは私見ですが,これまでのエフテルの製品はケース前面下部のデザイン処理がやや野暮ったい印象(失礼(^^;)がありましたが,本製品ではアクションボタン周りが大きく切り欠かれると共にACアダプタの使用を考慮して下部左右が開放された形状になったためシンプルで中々よいデザインに仕上がっていると感じました。
名刺入れの構造や全体的な作りなど,高級感と剛性感を最重要視する方にはややお勧めしかねる面もありますが,(CFジャケット装着時には)大柄なiPAQにとって最小限のサイズアップで本体全体の保護とストラップやベルトクリップなどの付加機能を実現できる本ケースは,やや高めの価格設定ではありますがCFジャケットをメインに使っている方は買っても損はない実用重視の一品であると言って良いのではないでしょうか。
どこの馬の骨とも知らない当サイトの不躾な申し出(好き勝手書いていいなら貸してください(意訳)とか(汗))に応じ今回の様な機会を与えて下さった,こまもの本舗さんならびにK造さん。 ありがとうございましたm(__)m