GEOMETRIC SPACE 雑記帳

注意書き

本ページは,私,霧島が怠惰な日々の中で気付いたり,感じたことを筆にまかせて『垂れ流す』ページです。
(雑記帳過去ログより抜粋)

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2002/02/09

言い訳

うーん。 実は雑記をヘラヘラ書いている暇は微塵もなかったりするのですよね(^^;
でも,一度書くと決めたからには書かないとねぇってことで,このネタだけでも書いときます。


2002/02/02 の日記より抜粋(嘘)

朝食を終えて自室に帰ると,不在着信を示す携帯電話のLEDが点滅しているのを発見。
不在着信の主は例によってサークルの相方の槙村。

しかたないので(オイ)一応電話を入れてみる。
話し込む内,今日の午後は暇なんで映画でも観るかという話しに。

ここでふと思い出したのが,1月30日付けの中村さんのところの更新履歴

興味深い自主製作フィルムの上映が今日からであること。 内容がSFらしいことを告げると,早速興味を示す槙村(笑)

観に行きたくなると困るのであえて情報を遮断していたため,電話をしながら情報収集開始。

「ほしのこえ」っていうんだけど,3Dを多用したフルデジタルアニメで1人で作ったらしい。

映像的には…かなり期待できそう。 携帯メールをモチーフとした、宇宙と地上にわかたれた少年と少女の超遠距離恋愛のお話と書いてあるな。

キャッチコピーは…「私たちは、たぶん、宇宙と地上にひきさかれる恋人の、最初の世代だ」。 <2人ともこの時点で撃沈(爆)


そんなこんなですっかりその気になったあとに,ふと目にとまったのは上映する映画館のサイトに掲載された無情な一文↓。

当日チケットは、初回の30分前(初日・二日目とも11:50)から、トリウッド窓口のみにてお取り扱いいたします。

なんとも微妙な言い回しの上,確認の電話をすれば留守電で繋がらず(汗)

冷静な人ならここで止めるんだろうけど,かつては無理無茶無謀でならした我々。 このまま引き下がっては負けてしまうのだ,我々的に。 ってなことで『運命的出会い』を信じて,玉砕覚悟※で一路下北沢へ。

※ バックアッププランは渋谷のムルギーでやけ食い。

で,やってきました下北沢。 となるのが普通なんだけど,さに非ず(^^;

この後,無謀な計画にサークルの後輩を引きずり込んだまでは良かったものの,この時点で11時過ぎ。 更に出発準備が済んでつくばを出発したのが午後3時過ぎ。 槙村と合流後諸々の用事が済んだのが5時過ぎ(死)

ってな具合に,時間はあっというまに我々の手の中からこぼれ落ちていき,トリウッドに到着した頃には辺りはもう真っ暗(汗)

絶望的。

…が,結果はV! 初日8時の部のチケットをGet!!

期待と不安を胸に1時間程時間を潰し,夜の雑居ビルに出現した怪しげな長蛇の列に混じっていざ場内へ…

余談

事前情報は,出立までの待ち時間にサイトのデータと予告ムービーを落としただけ。

ちなみに(ソースを見つつローカルに落とすも)予告ムービーはQuickTimeとWMV(?asf)だったため,Pocket PCに入れようとTMPGEnc(とプラグイン)やWindowsMediaEncoderを駆使するも玉砕。 何故かどちらも変換途中でエラーが…(涙)


ほしのこえをきいて

さて,いよいよ本題。 <前置き長っ!

以下,私が新海誠氏の個人製作のフルデジタルアニメーション「ほしのこえ」を観た感想(分析ではない点に注意)をつらつらと『ネタバレ無しで』書いてみたいと思います。

とはいったものの,実のところ映像方面は知識,センスともに欠如している上,フルデジタルアニメーション…というよりは,現在の3DCGをアニメに多用することにはどちらかというと懐疑的な人間なので,関心は映像というよりは『映像作品』としてのストーリーや心理描写の方にウェイトがいってしまう気がひしひしとしますがその辺はご容赦を(苦笑)


まず注目のストーリー※ですが,ハッキリいってしまえばありがちなSFジュブナイル物の王道ともいえる展開。

※ 粗筋が知りたい人は公式サイトの『ものがたり』を読みましょう。

が,別にけなしているわけではありません。 なにしろ我々としてはそれを期待して観に行っているわけですからね。 文句の出ようはずもありません(よね?)

不要なものをそぎ落とし,シンプルかつコンパクトにまとまっている点など,個人的に大いに評価したいです。

# もっとも,私はそういった傾向の作品が大好きだったりするので,この感想を鵜呑みにするのは危険ですが(^^;


普通3DCGを多用したSF…それもロボット物となればいきおいハデな画面作りに注力してしまいがちですが,本作品では物語の背景(バックグラウンドでもありバックボーン)でもある『日常』と『世界』を(絵として)丁寧に描ききることで,かけがえのない大切だったものとしての重みと,情感をダイレクトに視聴者の心に訴えかけることに成功している点は,個人製作とは思えない作品に仕上がっていたと思います。

# 無論個人製作の妥協を排した姿勢があったからこそ,実現できたのでしょうが。


また,ほぼ全編がヒロインと主人公(?)のモノローグで進みますが,感情の起伏を抑えた淡々とした語り口が,ある種のリアリティを感じさせつつキャラクターの内面を表現する上で,プラスに働いていたのも見逃せないところでしょうか。

# というか,演技力や(2Dアニメ)キャラクターを動かすことの限界を回避する演出方法を選択した時点で勝ちですよねぇ(^^;

個人的には主人公がとある決意をするシーンは,セリフと込められた心情の流れなどとても興味ぶかく魅させていただきました。

# もっとも件のシーンは(私にとって)情報過多だったので,もう一度見たいんですけど。 DVD買ってねってことですかね(苦笑)

まぁ,さすがに声をあてているのが素人さん※なだけにセリフがやや聞き取りづらかったり,ちと苦しいかなと思う場面もありましたが,全体的な印象としては悪くなかったのではないかと。

※ 特に新海氏… ヒロイン役の篠原さんはかなり善戦していたような。 中学校の保険医さんだそうですが。 <初日だったので舞台挨拶があったのです

# 主人公役は声優バージョンでは新海氏から鈴木千尋さんになるという話し。
# 私は最近(ここ10年くらい(^^;)の声優さんはさっぱりな人なんですけど,彼氏彼女の事情の有馬役の人ですか。 こりゃハマリ役ですな。

# トリウッドに声優バージョンがかかったらもう一度観に行きたいなぁ…

うーん。 ネタバレ無しで書けるのは正直これくらいですかねぇ…

# というか,私の貧相な頭ではというべきか(苦笑)


映像的には,先にも触れた通り,背景美術も情感あふれる美しいものでしたし,動きも見栄えのする素晴らしいものでした。

が,あえて苦言を呈するなら,ラストシーン以外はロボットである必然性が感じられない動き(演出)だったかなぁという気も無きにしもあらず。

明確な代替ビジョンを提示できない以上偉そうなことは言えませんが,結局マクロス辺りで確立されたラインを抜け出ていないのですね。

この動きなら戦闘機でも話は成り立つよね。 という。

私はロボットよりは戦闘機な人なので,別にかまわないといえばかまわないのですけど(笑)

# そもそも宇宙空間での戦闘には人型兵器は〜などという持論を振り回すのはやめておきましょう(^^;

それと私自身は,ロボットなんてのは(暴言)余程酷いデザインか止め絵でなければ脳味噌まで到達しない人間なので,こんなもんでしょと思っていましたが,ウチのサークル連中にいわせるとやはり一考の余地ありだった模様。

# 槙村曰く『メカデザイン以外は全て負けた』。
# 特に足回りのラインがまんまνガンダムだったのが不満だったようで(笑)

# ちなみに,私はプロデュース方面は諦めて久しいので,文章相手以外ではあまり負けたとか考えない人なんですけど(^^;

# 完全に余談になりますが,母艦の光学兵器の描写にはサークルメンバー全員大喜びだったり(汗) <結局単純のなのね。我々


また,個人的にはかなり善戦しているとはいえ,やはり2Dの手法で描かれた背景に3Dのメカがなじみきれていないかなぁとか。

もっとも,3D(及びコンピュータ)処理による省力化があってはじめてこの作品は成り立っているわけで,そこを『手書きの線の方が…』などと言い出すのは本末転倒甚だしいわけですけれど。


とまれ,本作品はコンピュータ処理による省力化によって,ひとりの人間の力でここまでできるんだという現実を我々に突きつけ,ひいては(勝手に限界を設定している)諸々の努力不足を再認識させてくれる希有な作品であることは間違いないでしょう。

近所で上映される機会があるなら,観に行く価値はある作品ではないかと。
なにせ,1プログラム600円ですし(笑) <トリウッドの場合

追記

忘れるところでしたが,主題歌の「THROUGH THE YEARS AND FAR AWAY」はとても気に入りました。 サントラに期待。 ですね。

余談

クライマックス手前の対話のシーンってのは必要だったんですかねぇ。
必要だったような,蛇足だったような。 個人的には微妙な感じです。

余談2

明日もう一度観に行くらしい。 この忙しいのに本気ですか?(汗) <我々

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