Pocket PC用Acrobat Readerの日本語版がついにというか,ようやくというか公開されました。
Pocket PC版自体はこれまでも公開済みだったのですが,日本語版は用意されておらず,英語版を利用した場合フォントが埋め込まれていないタイプのPDFファイルは十中八九文字化けで参照できず使い物にならないという状況が続いてきました。
しかしながら,今回登場した日本語版ではフォントが埋め込まれていないタイプのPDFファイルでも問題なく表示できるようです。
機能面に関しては,PC版と同様にツリー表示可能なしおりや,サムネール表示,倍率変更などにも対応しています
# 本文閲覧時に邪魔なしおりなどは,コマンドバーの左から3番目のボタンを使って簡単に(トグル動作で)表示/非表示を切り換え可能。
# また,タップ&ホールドで表示されるコンテキストメニューから全画面表示や各種機能を操作できるのも便利です。
特にドラッグによる画面スクロールは,Pocket PCの場合スタイラスや指で画面をずるずると引っ張るような直感的な操作を実現してくれるので,便利に感じるのではないでしょうか。
# Pocket PC用のグラフィックビュアによくある機能ですね。
ちなみに,本ソフトにはテキストを画面サイズに合わせて自動折り返しを行うための機能が用意されているのですが,自動折り返しのためのタグが使用されていない(従来の)PDFファイルの場合,ActiveSync経由の転送時にタグ付けを自動で試みるようになっています。
が,手元にあったThinkPadのカタログを転送してみたところ作業中にエラーがでてタグ付けなしで転送する旨ダイアログが表示されました。
レイアウトが複雑なファイルの場合,対応しきれないということなのでしょう。
ただし,タグ付けに失敗した場合でも左右方向に膨大にスクロールが発生してしまうだけで,閲覧できなかったり文字化けしてしまうといった性質のものではないようですので,実用上あまり問題はないと思われます。
# タグ付けを必要としない場合,CFに直接PDFファイルをコピーしてしまっても問題なく閲覧できました。
もっとも,PDFファイルはPCのXGA画面ですら解像度が足らずに見づらかったりする(SXGA+やUXGAなんかだと実用的なのですが)ことも多く,320*240のPocket PCの画面では快適に閲覧できようはずもありませんが,メールに添付されてきたPDFファイルの内容を出先で確認するといった用途には大活躍してくれることでしょう。
なんにせよ,今まで閲覧できなかったPDFファイルが,閲覧できるようになったというだけでも大きな進歩ですし,ここは素直に喜びたいところですね(^^)/
なお,Acrobat ReaderはPocket PC標準のファイル選択ダイアログ(コモンダイアログ)を利用しているため,My Documentsフォルダ配下のファイルしかオープンすることができませんが,FileExplorerなどを利用して関連づけ起動してやることで,その他のフォルダに置いたファイルも問題なく閲覧することができました。
ダウンロードページではPocket PC ARM用とPocket PC 2002用が用意されていますが,やっぱりリンク先は同じファイルですね(笑)
# 初心者対策というかユーザビリティー的にこれで正解でしょうが。
書き忘れてましたが,残念ながら印刷機能には未対応のようです。