ブラウザフォンはPDAと違って携帯電話としての機能が備わっていますから,まずキャリアを選択しなければいけません。
当たり前のことですね(^^;
# キャリアとはここではDoCoMoとかJ-Phoneだとかの携帯電話サービスを提供している事業者のことを指すこととします。
各キャリアの提供する内容が同一であれば,単に趣味で決めてしまってもいい訳ですが,困った(楽しい?)ことにそれぞれかなり異なったサービスを提供しているため,そういう訳にもいきません。
ではどのキャリアの提供サービスが携帯電話PDA化計画に最も適しているのか?
以下私の独断と偏見に基づいて各社のサービスの概要を列挙してみましょう。
# 本人の知識に偏りがあるため,説明内容に著しい偏りがあるかも知れないです(苦笑)
ちなみに面倒なのでPHSは省略します(^^;
なお料金に関しては関東地方での執筆時点(2000/06/16)の物です。
説明不要?今や飛ぶ鳥を落とす勢いの『i-mode』を提供しています。
パケット通信を採用しているので回線を繋ぎっぱなしにできる。
1パケット128B/0.3円
HTMLのサブセットを使用しているため通常のHP(ホームページ)と親和性が高い。
メールの送受信は全角250文字まで。
分割受信で全角2,000文字まで対応(したらしい(^^;)。
受信メールは端末へ自動配信。ただし再送は無し。
パケット料金なので一概にには言えないが最大文字数時を想定すると,受信2円,送信4円程度。
年内中の合併が決まっているDDIとIDOは提供サーピスがほぼ統一されている(と思う(^^;)のでいちいち分けません。
細かい違いが知りたい方はご自分で調べてください(^^;
# 料金体系がちょっと違いますねぇ。
また旧来の800MHz帯を使ったPDCも健在ですが主流はcdmaOneにシフトしているため,ここではcdmaOneのみに限定して記述することにします。
サービス名は『EZ web(EZアクセス)』。
同じくパケット通信採用。
1パケット128B/0.27円
次世代携帯電話向けコンテンツの世界標準WAPをにらんでHDMLを採用。
がHTMLとの親和性が低いため現在の所はやや不利か?
他にパソコンとも同期可能なEZ PIMというPIMサービス(月額400円)もある。
# これに関しては使った(調べた)事が無いので詳細不明(^^;;;
EZはWebメールと同様にサーバに届いたメールをブラウザで閲覧するため,端末蓄積型ではない点が他のサービスと決定的に異なる。
送信全角250文字,受信全角2,000文字。
受信メールは着信通知のみ。
ただしCメールによる全角50文字の無料通知が設定できる。
料金に関しては公称値なし。送信はi-modeと同程度か?受信はパケット通信料から算出すると最大8.4円程度ということになるが,実際にはもう少し高くなるかも。
# 本文以外のデータも付随すると思われるので…
以前からあったメールサービスの『Sky Walker』を大幅に拡張した『J-スカイウォーカー』,文字情報サービスの『J-スカイウェブ』を提供。
一見するとパケット通信。が実体は回線交換方式。
1リクエスト(サーバへの要求),1リプライ(データ受信)共に1KB/2円。 回線の切断と接続を繰り返すためかややレスポンスに劣る印象あり。
# 単にサーバ設備が貧弱な可能性もありますが…(^^;
i-modeとはやや仕様が異なるがHTMLのサブセットを採用。
画像形式がPNGなので人によっては戸惑うかも。
# ちなみにi-modeはGIF。
ロングメール(J-スカイウォーカー)は送受信全角3,000文字。
スカイメール(Sky Walker)は送信全角64文字。受信全角192文字。
スカイメールは自動配信。ロングメールは先頭全角192文字(スカイ相当)までの着信通知,続きは手動(自動取得設定もあり)。
再送あり。
スカイメール及びロングメールの着信通知は無料。
ロングメール読み込み1件8円。削除は無料。
送信はスカイメール3円。ロングメール8円。
メール料金はパック料金プランの無料料金分に含まれる。
DDIグループ傘下に入ったためEZ Webに対応するようになった。
が以前からの『Sky Message』も健在。
特徴の異なる2サービスが使えるのが中々ユニーク。
ゆえにツーカーは別項にしました。
基本的にKDDIのEZに準じる。
が回線交換方式。
こちらはJ-Phoneと違い単純な時間単位での課金なので注意が必要。
ただしメール用途を想定して最初の1分は3円。以後1分/10円。
EZ PIMにも対応。
EZWeb側はKDDIのEZに準じる。
ただしやはり時間単位課金。
SkyMessegeはJ-PhoneのSkyWalkerに準じる。
スカイメールやEZの接続料金もパック料金プランの無料料金分に含まれる。
色々あるが基本的に時間単位課金であることと,メールが着信通知のみで自動配信不可である点がややネック。
ただし端末側で一定時間毎に巡回,あるいは着信通知後自動取得できるキャリアや端末も存在する。
基本料金が安価なので工夫次第では携帯電話より安く上げることも可能…かもしれない。
# スカイ系の受信無料に勝つのは困難の様な…(^^;
…とまぁ,大体こんな感じになります。
この中からPDAとして使うために最も適したキャリアを選別する訳ですが,これは当然どの機能を使って何をするのかという問題と不可分です。
が,記事の都合上何をやっているのかは別項で触れる予定なのでここでは私の基本方針を簡単に述べるに止めようと思います。
内容を見てもらえれば分かると思いますが,ブラウザフォン本来のウリ(?)である所のWebコンテンツ関連に関してはあまり重視していません。
モバイルバンキングなど必要な人には必要な機能なのでしょうが今現在私個人としては必要性が薄いこと,そして何より現状では料金が機能に釣り合わないと判断したためでもあります。
# 詳細は『WindowsCE vs i-mode』をご覧ください。
さて,それぞれの条件に照らして各キャリアを比較してみると…
まず3番目の項目。何故かはいわずもがなですね。
受信したメールがリアルタイムで携帯に送信されてくるのは便利だからです。
着信通知だけでもいいと言えばいいのでしょうが,内容が簡単にチェックできる分直接配信されてしまった方が便利であることは間違いありません。
で,この項目に関してはKDDIがやや問題アリですが,Cメールによる通知を使うことができるので携帯電話(KDDIのPDC除く)に関してはどのキャリアも一応は合格ということになります。
次に2番目の項目。私はお金持ちじゃないので一度お金を払って閲覧したデータを再度みる際にお金を払うなんて真似はしたくありません(^^;
それに頻繁にあることではありませんが圏外だからと言って何も出来なくなってしまうようでは困る訳です。
で,ここで脱落するキャリアが出ます(^^;
KDDIですね。その物ズバリの理由なのでこれ以上説明する必要もないでしょう。
# まぁ,画面キャプチャ機能の様な物でローカル保存もできるのではないかと思うんですが…使い勝手が…
最後に1番重要な項目を検討する訳ですが,残ったのはDoCoMo,J-Phone,ツーカー。
単純に文字数から言えばJ-Phoneな訳ですが,長いメールでも既存のメール転送サービスで分割転送してやればその他のキャリアでも補うことが出来ます。
そうすると問題となるのが料金な訳ですが… J-PhoneとツーカーのSky系は受信が『無料』。
対するi-modeは有料。
送信時はまぁ,似たりよったりな感じです。
Webコンテンツが最も充実していて何かと話題性もあり,切るのは忍びないですが先にWeb機能は重視しないことに決めてあった訳なのでDoCoMoはここでスッパリと切ります。
# 実は私の自室はDoCoMoの電波が安定しないという裏事情もあったり(^^;
で,最終的に残ったのはJ-Phoneとツーカー。
Sky系は共通なので,それ以外の要素,J-SkyとEZの比較ということになりますが…
EZは既に述べたように端末蓄積型ではありませんから,Skyと同等に扱うというよりはどうしても補助的にしか使えなさそうですが,J-Skyであれば通常の情報は無料で,重要な(閲覧性を重視したい)情報は有料で受信するという手が使えそうです。
# 無論何らかの切り替え方法を検討する必要がありますか…
また,私のみた所メールが長文対応なだけあってローカルへの保存件数は圧倒的にJ-Phoneに分が有る(J-SH03はスカイメール1,500件)ようです。
そして私はJ-Phoneを選びました。
# あぁ,長かった(苦笑) <文章が(^^;
しかしお大臣な方はi-mode…いやいや,いっそのことPHSも使えるスーパードッチーモなどがベストチョイスかも(笑)
また最後で選に漏れた形のツーカーですが,最近J-Phoneは利用者急増で一部地域で配信遅延などが問題になっているようですから,少しでもトラフィックの低そうな(けなしている訳では無いですよ。念の為(^^;)ツーカーをあえて選ぶというのはスルドイ選択かも知れません。料金(プラン)面でも有利の様ですしね。