私とVAIO PCG-C1の出会い

私がC1を初めて知ったのは月刊ASCIIの速報記事でした。

しかし当時は購入する気はさらさらなく,それは秋葉原で実機をみた時も同様でした。
一緒にいた槙村に『あ,コレが話題のカメラ付きのVAIOじゃん,でも私は買わないだろうけど』とか何とかいったような記憶があるほどです(苦笑)
当時の私はそもそもデスクトップ機でおおむね満足していたし,どうせノートを買うならThinkPad600でキマリだねっ!とか思っていたのです。

とにかく私はThinkPadの堅牢な作りと安定性,そして精悍なブラックボディとトラックポイントに惚れていました。
が,当時は体調が最悪でバイトも辞めていたのでお金がなく(今もそのままですけど)ノートに興味はあるけどどうせ買えないだろうという状況だったのです。

そして年が明けて1999年正月早々転機が訪れました。

ついに病状が悪化,腸閉塞を起こして入院することになってしまったのです。

これは3度のメシよりなによりコンピュータが好き(匹敵するのはTRPGくらいのもの)というより,半ば中毒の私は初めてパソコンを買ってから12年強,パソコンに触れないなどという環境になった試しがなくそれは想像しただけでも耐えがたい物だったのでした(苦笑)

# 実際病院では2カ月の入院期間中8割方は食事自体取れなかったものの,これはたいして苦痛ではありませんでした。

まぁ,一応DOSノートは持ってはいたもののテキストエディタとファイラーが入っているだけのテキスト打ち込みマシンで開発言語もろくに入ってなかったので,持ってきた所で今となっては使い道がないのは明らか。
PC関連の雑誌を買ってきてもらい代償行為として読みまくってはいたものの,そんなことをすればますますいじりたくなるだけでした(爆死)

最初の一週間こそ苦しくてPCどころのハナシではなかったのですが,それ以後絶食したことによって痛み自体はなくなってしまったので,ますますヒマになってしまった上に入院期間の見通しが全く付かずいつまでガマンすればいいのかも分からない状態だったのです。

で,看護婦さんにノートPCを持ち込んでいいのか聞いてみた所,OKとのことだったので,槙村が集めてきてくれた友人たちからの見舞金(多謝!)に加えて親から借金をしてノートPCを新調することに決めたのです。 さてじゃあ何を買うか?わざわざ買うからには退院後も使えるものがいい。
となるとやはり気軽に持ち歩けて各種打ち合わせや出先での(同人誌の)編集作業に使えた方がいいだろう。
当然病人生活で体力ガタガタなのでできるだけ軽い方がいい。 # ちなみにアコガレのThinkPad600は価格,重量,サイズと全ての面で断念せざるを得ませんでした(苦笑) で,候補に最後まで残ったのがCASSIOPEIA FIVA,ThinkPad535X,そしてVAIO C1だったのです。

# 東芝,松下,NECのマシンが候補に上がっていないのはメーカーやデザインラインが好きではないためで,私が長いことお世話になってきた富士通が入っていないのは適当なモデルが見当たらなかった為。

が,ThinkPadは535の後継シリーズが一向に発表されず(年末の時点で240を出して欲しかった(苦笑))当時としては既に時代後れでした。
あのスペックで1.7kgというのは重過ぎるとも思いましたが,病院の近くの店に延々と展示処分品が売れ残っていて,これがとても安かったのとThinkPadに対するアコガレが強かったため最終候補として残りました。

# ThinkPadには235シリーズもあったが中身はチャンドラだったので,ThinkPadシリーズにしては筐体がヤワで作りがチャチ(ユーザーの人ゴメンなさい(^^;)な上,キーピッチが小さ過ぎるのでパス。

FIVAはキーピッチは小さいもののボディサイズと重量を考えれば十二分とも言えたし,あのサイズでSVGAというのは魅力的でした。
デザインも中々私好みだったし,ひねくれ物の私はCPUがサイリックスのMediaGXだというのにも強く惹かれました。
デスクトップは持っているからCPU性能は必要ないと考えたからです。

# 今でも欲しい。値段も下がったしね。

# とか言ってたらついに後継機(マイチェンだけど)が発表になりましたねぇ(1999年9月3日現在)

そして,ここまで来て突然候補に浮上してきたのがVAIO C1でした。

何故か?

C1が発売された当時は私はThinkPad600にぞっこんでディスプレイは絶対XGAじゃないとイヤだと思い込んでいたので,1024×480というウルトラワイドXGAなるハンパな解像度が気に入らなかったし,キーピッチが不均一(右端の記号キーだけピッチが小さい)なこと,そして何より今人気のVAIOシリーズでしかもカメラ付き,いかにも売れ筋といったカンジで(実際売れていた)長いことFMユーザー(除くFMV)をやっていたマイナー主義者としてはヒジョーにイヤだったんですが(苦笑)

しかし,携帯性重視という視点で見てみるとサブノートはSVGAが主流。が,私はどのみちXGAでなければ満足しない。

そう考えてみるとSVGAで仮想画面を使って上下左右にスクロールが発生するくらいなら,ウルトラワイドXGAで仮想画面を使って上下のみでのスクロールで使った方が利口ではないかとの考えに至ったわけです。

# それまではそもそも携帯マシンを買おうという気がなかったので深く考えていませんでした。

変則的なキーピッチもサイズや重量とのトレードオフと考えれば納得出来ないこともない。

そして何よりポインティングデバイスにはトラックポイントのようなスティックタイプが採用されている。

# 買ってみて分かりましたが,なんのことはないトラックポイントそのものでしたが(^^;

価格的に見てもカメラが付いていることによる不利さがある訳でもなく,むしろオマケで付いてくると考えればかえって割安感もあります。

早速病院からテレカを湯水の様に使ってFIVAとC1の価格調査を開始しました。

# 535の場合は格安の展示品を近所で買うのでこれは除外。

結果は… 春モデルへの切り換え時期も近いということで,C1はすでにどこにも在庫はなかったのでした(苦笑)

結局FIVAと535で悩み抜いた末費用対効果の関係で535に軍配が上がることとなりました。

# フルセットで535の方が5万は安かったのです。

当然本人が買いに行くことは不可能だったので,友人に取り置きを頼んでおいてもらい,その後金を預けて買ってきてもらうことになりました。

が,手に入らないとなると欲しくなってくるのが人情というもので,友人に買いに行ってもらうとき半ば冗談で『展示品か何かでC1が残ってるようだったらC1買ってきてね』と言って送り出したのですが…

そう,C1の展示機が残っていたのです(笑)

そしてC1は1月18日。検査で塗炭の苦しみを味わい疲れ果てていた私の元へとやってきたのです。