本機の特徴はVGA機としてはコンパクトな筐体と,高い処理性能と堅実な設計でしょう。特に動画再生能力は瞠目に値します。それに対し,筐体サイズの割に重量的には少々重めで,しかも筐体が小さい分ズッシリとした重みを感じる点や,バッテリー駆動時間が凡庸な点は欠点といえるでしょう。
一方,液晶の発色と視野角に関しては,好みの問題といって差し支えないと思います。用途によってはhx4700の自然な発色が必要な場合もあるでしょうが,単体で見た場合十分美しい発色を楽しむことができますし,電車の車内などで利用することを考えるとhx4700はほぼ水平位置からも画面が見えてしまうため,周囲の視線が気になるという見方もあります。
まだ数日しか触っていませんが,一通りの環境構築を終えた印象として安定性の面での不安もほとんど感じませんし,奇をてらった部分がないだけに安心して手にとることのできるPDAといってよいと思います。ただしタッチパネルの感度がややニブめですので,人によってはもどかしさを感じる可能性があります。Dell製品の場合リアルサイトに実機展示がある分,hp製品よりも製品を目にする機会も多いと思いますから,事前に実機に触れてみることを,おすすめします。
# 個人的には,ちょっと気になるけど慣れの問題で解決するレベルだと感じています。個体差がある可能性はありますが……。
なお,X50vの場合,外付けのBluetoothキーボードはオプションとしてラインナップされているものの,本体に差し込んで使うような,スナップオンのサムキーボードは(海外も含め)用意されていません。電車の車内などで文字入力を利用したい人は過度の期待はしないようにした方がよいと思います。
# その代わり吊革につかまっての片手操作など閲覧用途が中心であれば,VGAとしては小さめの本体サイズと操作しやすいボタン類で十分要求に応えてくれることでしょう。
また,本稿執筆時点(2005/01/24)では,安価なPDA向けPHS定額プラン「bitWarpPDA」や「KWINS」への対応が明らかになっていません。早期の対応を期待したいところではありますが,これらのサービスを利用したい人は,しばらく様子を見た方がよいのは言うまでもありません。
基本的に素性のよい素直なマシンに仕上がっていると思いますので,上記諸条件を検討してみて,自分の使い方に合うならば「買い」の機種だと思います。
Windows Mobile 2003に見られたアラームの不具合が修正されているかに関しては,現在経過観察中です。
# 今のところ正常に動作している模様……。