WindowsCEって何?

WindowsCEとは

WindowsCE(以降WinCEと略)とはマイクロソフトの作ったOSの名称です。

…それだけで終わってしまっては全く説明になってませんね(^^;

えーWinCEとはマイクロソフトが各種機器の組み込み用に開発したOSです。

セットトップボックスやカーナビ,工場の制御機器など様々な物に組み込んで使用することを目的としていてWinには珍しく何種類ものCPUをサポートしています。

が,今現在WinCEといった場合モバイル用途のハンドヘルドコンピュータ(H/PC)とパームサイズコンピュータ(Ps/PC)に搭載されたOSおよびそれを搭載した機械自体を指すことが殆どです。

このページで扱うのも当然それらのWinCE搭載のコンピュータのことですので,それ以外の組み込み用途については特に言及しません。

# 実は書いてる本人もよく知らないだけという説も…(^^;

で,そのWinCE。フツーのWindows…いわゆるWindos9xシリーズとどう違うのかというと…実はこれが全くの別物だったりします。

サポートするCPUも違えば規模も目的も違うのでこれは当然のことです。が,その操作感,Look and FeelはWin9xのそれに似せて作ってあり普段Windowsを使っている人なら違和感なく使うことが出来ます。

そういった意味ではWindows9xをコンパクトにしたサブセット版と言えなくもありません。しかし当然別のOSなのでWin9xのプログラムを使うことは出来ません。

先に少し書いたように現在WinCE搭載機は(PCに限定した場合)ハンドヘルドPC(H/PC)とパームサイズPC(Ps/PC)の2種類があります。

普通のミニノート(リブレットやVAIO C1など)をさらに小さくしたようなコンピュータがH/PCで,キーボードの無い電子手帳の親玉のような形をしたコンピュータがPs/PCです。

私の所有しているマシンではCASSIOPEIA A-51がH/PCでCASSIOPEIA E-55がPs/PCにあたります。

両者の大きな違いはキーボードの有無。あとはサイズの違いによる画面の広さです。

文章やメール,データを『閲覧』したりちょっとしたメモに使うのなら小さくて片手でも操作しやすいPs/PC。
テキストをガリガリ書いたりWebを本格的に閲覧したいのならH/PCという棲み分けになると思います。

現状ではH/PCは主にWin9x搭載のミニノートと,Ps/PCはWorkPadやザウルスと競合しています。

ライバルとの比較−対ミニノート

ミニノートと比較した場合の相違点でまず認識して置かなければならないことは,OSが違うため同じプログラムが走る訳ではないということです。

したがってWinCEはWinCE専用の物を用意してやらなければなりません。

# それもCPUごとにプログラムが違うので使用しているCE機のCPUに合ったプログラムが必要ですが,たいがいの場合一通り各CPU用プログラムが同時に手に入る(ないしはチャンスがある)場合が殆どなので,これについては間違いさえしなければそれほど深刻に考える必要はありません。

そのため膨大な数のアプリケーションが用意されているWin9xに比べてできることが限定されることになります。

これはプログラムの問題だけではなくそもそも携帯用にコンパクトにするため機能を絞ってあるためでもあります。

大体現状だとテキスト文の作成,PIM,Eメール,Webブラウズ(Flashなどのプラグインは動きません),簡単なデータベースと表計算。などであれば普通にこなすことができるでしょう。

# 家計簿だのゲームだのといった細々としたことも当然可能です。

逆に画像処理系はほぼ全滅と思ってもらって差し支えないでしょう。

# 閲覧程度であれば問題なく出来ます。

# またホームページの更新も画像処理を殆ど行わずテキストエディタで直接タグを打つという前提であればFTPソフトはあるので可能です。

Win9xと同じアプリケーションが使えないのであればWindowsである価値はないと思うかもしれませんが,そのかわりWindowsファミリーとの強力な連携機能があります。

PIMとメール管理のOutlook,表計算のExcel,ワープロのWord,プレゼンテーションのPowerPoint,データベースのAcsess(H/PC Proのみ),WebブラウザのInternetExploler,それぞれのサブセット版を搭載しており,シリアル接続や赤外線,LANなどを使ってこれらのデータを母艦となるWindowsマシンと同期を取って気軽に持ち運ぶことが出来ます。

たとえばPIMデータであればWinCEとでデータの同期を取って持ち運ぶことによって自宅と職場のPCとのデータを常に同じ状態に保つことも比較的簡単に実現出来ます。

# 比較的と書いたのはMSの製品だけに油断は禁物という事実を指します(苦笑)

またサードパーティ製のアプリを使えばOrganizerやNotesといったLotus製品との連携を取ることも可能です。

# 表計算(1・2・3他)などはExcel形式などMSの形式で保存してやればOK。

上記の様にいくら強力な連携機能があった所で本物のWindowsが動く方がより便利であるのは当然のことですが,H/PCにはH/PCなりのアドバンテージが当然あります。

まずサイズが小さく重量が軽いため気軽に持ち歩くことが出来ます。現在のH/PCは快適な環境を求めるあまり大型化する傾向にありますが,ミニノートよりは薄かったり軽かったりと何かしらのメリットを備えています。

# 業務用途を視野に入れたノートブックなみの大きさと重量を持った機種もあるにはありますが,現在はまだ主流ではありません。

私が共に愛用しているCASSIOPEIA A-51UP(WinCE2.0以降搭載では最小最軽量)とVAIO C1とを比較してみるとA-51UPは体積で2分の1以下,重量では3分の1程度にすぎません。

日常的に携帯することを考慮した場合,これは大きな差となります。

また,サイズと同様に,いやひょっとしたらそれ以上に重要なのがバッテリー駆動時間が圧倒的に長いことです。

液晶がモノクロであるかカラーであるか。CPUは何であるか。などによって異なりますがWinCE機はメーカー公称値で30時間〜6時間程度の駆動時間を実現しています。

中には乾電池で駆動するモデル(カラーで電池駆動可能な機種も最近出ました)まであります。

屋外でコンピュータを活用しようとするともっともネックとなりがちなのが電源とサイズ(重量)の問題ですから,これを両立させているということがどれだけありがたいことかは一度でもモバイルを試みたことがある人なら誰しも容易に理解できると思います。

あと1点,ちょっとしたことですが,重要なアドバンテージがあります。

それはサスペンドをさせるのも復帰させるのも早いということです。  Windowsマシンの場合電車の乗り降りなどでサスペンドをさせようとするとサスペンドさせるのに5〜10秒,復帰は20〜30秒以上かかるといったこともザラですが,CE機ではどちらも1〜2秒程度です。サスペンドさせるだけなら0秒と言っても過言ではありません。

HDDのようなデリケートなパーツがないため,一々サスペンドの終了を待つ必要は全くないのです。ボディの傷を気にしないのなら電源ボタンを押したらそのまま間髪入れずカバンに突っ込んでしまえばOK。

使い始めも,おもむろにカバンから取り出して電源ボタンを押せば即作業を開始出来ます。

従って出先で画像処理などといった重い作業の必要でない(かつ自宅に母艦となりうるPCがある)人であればWinCE機がいかに有用かということが分かると思います。

ライバルとの比較−対PDA

しかしWorkPadやザウルスと比べた場合は逆に高機能故の動作速度の遅さや駆動時間の短さがウィークポイントとなり,同時に高機能な点がアドバンテージとなります。

ザウルスの場合動作もキビキビとしており安定度も高いですが(駆動時間はモデルによってはあまり変わらないと記憶しています)開発言語を動かしたりゲームをしたり,パソコンと同じような使い勝手でメールを使ったりといったことには向きません。

WorkPadの場合も同様に動作はキビキビとしているし,豊富なオンラインソフトが存在するため,ある程度コンピュータライクな使用も出来ます。

ただPHSモジュールがまだ登場していないため,メールの閲覧はともかく送信にはやや大仰なモデムなどを装着してやる必要があることや,液晶がモノクロ2階調な上画面が狭いためWebの閲覧もモノクロCE機以上には苦しいと思います。

また本体の記憶容量がCE機に比べて小さいので,私のように大量のテキストデータをLHAで圧縮してまで持ち歩きたがる人間には向かないでしょう(^^;

さらに両者に比較して,WinCE機は小さいながらも実にコンピュータちっく(そもそもPCなんだから当たり前ですが(^^;)な風格を持っています。

MP3再生(物によっては動画も)や様々なエミュレータが走ったり,開発言語が動いたりと色々と面白い(怪しい?(^^;)ことが出来ます。

ここら辺は私の様なパソコン好きには,こたえられないものがあります。

ほんの数年前,デスクトップ機ですら出来なかったようなことが,わずか数100グラムのマシンで何時間も外でいじり倒すことができるのです。

# MP3は残念なことにモノラルな機種が多いのが現状です。

# エミュレータではDOSを動かしてWizerdryやUltimaや開発言語を走らせてみたり,ゲームボーイ,ゲームウォッチ(これは移植か…),PalmOSと色々怪しげなものがあるようです(^^;

# CE上で動く開発言語はどれもサブセット的な色合いが濃く。未だに決定版的な物にはめぐり合えていません(^^; なんかいいの出ませんかねぇ?それもできるだけラクチンで高機能な奴(笑) 個人的にはDelphiみたいなのがいいんですが(^^;

従ってPIMデータ管理がメインな人はザウルスを。豊富なオンラインソフトを使ってもっと突っ込んだ使い方がしたいならWorkPadを。

MS Officeとの連携がしたい人や,色々と怪しげな事をしてみたい人,大艦巨砲主義な人(謎)は,CE機の砂時計(動作速度)に耐えられるならCE機を。

それぞれ選ぶとよいと思います(^^;

スケジューラなどを起動する時に2〜3秒待てない人はWorkPadを買いましょう。間違っても現状のCE機を買うべきではありません(苦笑)

# MSのOSだけあってつっこんで使おうとするとノウハウ(レジストリいじりとか(^^;)が必要になったりもするので,環境構築マニアの人には特にCE機をオススメします。買ってからの1週間は寝食を忘れて楽しめること間違いなしです(笑)

手のひらサイズでフルカラー動画もMP3もOKなどという酔狂なマシン(註:本人褒めてるつもりです)は現状ではCE機しかないと思います(笑)

# WorkPadのPHSモジュールが出るのは時間の問題だと思うので通信面が弱いという点についてはここでは不問としておきます。

# シェアが高いだけにWorkPadの張りつけるタイプのキーボードや片手入力キーボード,折り畳みキーボードなどは非常にうらやましいです…って全部キーボードやん(^^;