WindowsCEも登場してから3年近くが経過しようとしていて既にいくつかのバージョンが世に出ています。ここではそれらバージョンについて説明します。
初の日本語版WinCEで97年の7月にCASIOのCASSIOPEIA A-51/A-50(両者の違いはメモリの搭載容量前者は8M後者は4M)に搭載されて発売されました。
他にA-51V(CPUのクロックが倍のモデル)とNECのMobileGear MC-CS11/CS12がありました。
CASSIOPEIAは後にVer2.0へのVerUPサービスが2万円で行われた(現在は終了)ため現在でも現役で使っている人がたくさんいます。
# 最近Jornada680にユーザが大量に流れたような気もしますが(^^;
98年の初めに発売されました。
Ver1.01と違い完成度が高まったためか,CASSIOPEIA Aシリーズ,MobileGearII,HITATIのPERSONA,HPのHP620LX,COMPACのCシリーズなど様々なマシンが発売されました。
どこのメーカーの物を買っても大差ないWin9xマシンと異なりCE機はCPUや大きさ,ROM搭載ソフトなど各社毎に明確な特徴があり,選択の幅が(まだ)あるのも楽しい所です。
このバージョンからPs/PCとH/PC Proが登場しました。
98年の12月にVer2.11ベースのPs/PC1.1を搭載したCASSIOPEIA E-55が,99年になってPs/PC1.2を搭載したE-500やCOMPAC PRESARIO 213などが発売されました。
# 他にもFreeStyleというマシンもありましたがイマイチマイナーだった様な…(^^;
さらに同じく99年Ver2.11ベースのH/PC Pro3.0(CE3.0でないことに注意。紛らわしいことこのうえないです(--;)が発売されました。
H/PC ProではVer2.0からのメーカーに加えて富士通とビクターがそれぞれINTERTOP CXとInterLinkで新しく参入して来ました。
Ver2.0を出していたメーカーでは唯一CASIOだけがH/PC Pro機を出していません。
NECのみVer2.0から2.11へのVerUPサービスを行っています。
# 唯一Pro機を出していないCASIOは小型機にこだわっていたためかも知れませんが,HPのJordana680の様なアプローチもある訳で,ぜひ新型を出して欲しい所です。
まずCE1.01ですがこいつは檄遅です(苦笑)特にアイコンの描画が遅いのが致命的です。エクスプローラでWindowsフォルダなどを開こうものなら憤死出来ます(^^;
PocketWZ Editorや優秀なオンラインソフト(やCASIOなどのハードメーカの用意したオリジナルソフト)を使うことでどうにか使用に耐えるようになるといった感じです。
# 住所録やスケジューラ,メーラ(PocketOutlook)は最新バージョンに至るまで多少の差異はあれ大タコのままなので,市販ソフトやハードメーカ提供のソフト,オンラインソフトのビュワーないし置き換えソフトはあいも変わらず必須ですが(爆死)
# くわしくはソフトウェアレビューを参照。
CE2.0,かなり使えるようになりました。
体感速度で2倍近くは違います。
画面サイズも1.01の480×240からハーフVGA(640×240)へ拡大され,カラー表示に対応しました。
PocketIEなどもパワーアップ(IE3相当)したのでかなり使えるようになって来ました(ただ画像の減色(ディザリング)がちょっとタコいかも…)。
欠点をあえてあげるならWordやExcelのデータを直接開く事が出来ないことでしょうか?
CE2.11(H/PC Pro) PocketIEがJavaScript対応になり,WordやExcelのデータが直接読み込めるようになりました。
またPocketAccessも搭載され,VGA以上の画面に対応。USBも使えるようになるなど大幅にパワーアップしました…が〜
色々と改悪もされています(苦笑)
まずMSの新OSに相応しく重くなっています。
2〜3割程度は動作速度が落ちるような感じだと言われています。
さらに最悪なのはコンパクトフラッシュカード(以降CFと略)などのストレージメモリが『Storage Card』という英語表記から『メモリ カード』という日本語にローカライズされたことです。
長い英語は覚えにくいとかいう苦情が来たのかもしれませんが,こんな無用なローカライズは止めて欲しかったのは私だけではないと思います。
そもそもフォルダ名を入れるのに一々IMEをONにしなければいけないという時点で既に使いづらい事おびただしいわけですが,あろうことか『半角カタカナ』なおかげでCE2.0まで正常に使えていた英語版ソフトが使用不能になる始末。
さらには同社のIE5を母艦にインストールするとメモリカードがCEサービスからアクセス不能になるという不具合が発生するというお粗末なオチまでついてます。
# これはIE5をインストールするとCE側のフォルダ名の最初の1文字目が半角カナだと読み込めずIEが落ちるという障害で,回避方法としてはエクスプローラのツリー表示からアクセスするという方法があります。根本的に解決するには現在ではWin98のSEをインストールする(DLLだけ持って来てもOKの様ですが…)しかありません。
その後この問題に対処ずみのIE5.01がリリースされました。
あと細かい所ではCFの認識方法が変わったため,CFにおいたプログラムはスタートアップ起動させることが出来なくなったり(認識の関係で間に合わない)2.0まではパスの通っていたCFのルートにパスが通らなくなったり(おかげで各DLLがCFにおけず本体メモリに置かざるを得ない)といったCF絡みの納得のいかない変更点が目立ちます。
ただ,こうした目立たない仕様変更の中にはプラスのものもあって,CE2.0では別にインストールしなければ使用出来なかったNetworkClientが標準で入っているため,今まで英語版を利用せざるを得なかったため,母艦がWin9xの場合(母艦がNTなら問題ありません)はファイル名が日本語だと化けてしまうという問題がなくなりました。
# でも日本語版のNetworkClientを提供しない日本MicroSoftの怠慢が原因な訳で,全く褒められることではないと思いますが…Win2.0では未解決なままだし(死)
全体的には十害あって一利ありといった感じです(むろん私にとってはです)。
私はワードは全く使いませんしデータベースもテキスト(CSV)で管理する人なので,CE2.0で十分…というかCE2.11は出来れば使いたくありません(苦笑)
# JavaScript対応になったIEだけは使いたいですが(^^;
CE2.11(Ps/PC) 同じくVer2.11ベースのPs/PC1.1と1.2ですが,こちらはPIMに特化したかったのかOutlookを除くPocketシリーズが全て削られ。アプリケーションの終了という概念がなくなり,ファイル操作も不可能になる(実質上一度起動したら終了出来ない)など思わず首をかしげたくなる様な仕様変更がなされています。
また標準のファイル選択ダイアログには本体メモリ,CF問わず『My Documents』フォルダ配下しか参照出来ないという制限もかかっています。
MSのこうした思惑とは異なりCASSIOPEIA E-500などはPro機に迫るスペックを持っておりMS側で削除したデータベースやブラウザはハードメーカーが独自ソフトなどをバンドルする形で対応しています。
また終了が出来なかったりファイル操作(やタスク切り換え)が出来ないという面に関してはこれらを補うオンラインソフトが発表されており,ほとんどの人がこれらを使用して欠点を補っていると想像されます。
MSの想定した様にPIMのみ電子手帳的に使用するくらいなら普通はWorkPadの方を選択すると思うのは私だけでしょうか?
そうした仕様変更のわりには,キーボードがないにも関わらずキーボードショートカットが丸々残っており,これを活用するためのオンラインソフトも発表されていてかなり便利に使う事が出来ます。
# GUIを採用したOSの割にかなりの機能にキーボードショートカットが存在し,ほぼ全ての操作がキーボードから(半ば無理やり(^^;)行えるのはWindowsファミリーの美点の一つだと私は捕らえています(^^)
相変わらずMSの考えるていることは何だかよく分かりません(^^;
# 念のため書いておきますが,私はアンチMSの人ではありません。ビルゲイツも嫌うというよりはむしろ尊敬してます(^^; ただし,1社による独占は好ましくないとも思っているのでLotus製品など非MSソフトを積極的に使うよう心がけているつもりですが。